PPAPとPNSP | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

PPAPとPNSP

同じ日に読んだ二つの記事に関して。

「最高の技術を最高ナンセンスに費やす」というのが贅沢の極みの一つだと僕は思う。まさにその実現ともいえる試みがあった。国立劇場のPPAPのパロディ、PNSP。
日本の伝統を継承する当代の歌い手弾き手が、その超絶技巧でPPAPのメロディを奏でペンヌリサンポーサンポーペンと宣う様は、パロディを通り越して背筋がキリリと立つ、芸能の凄みをみせていただき、なんと贅沢な…と笑いながら感動してしまった。

その後、本家PPAPに関する記事があり読んでみた。「プロが解説するPPAPの凄さ〜世のDJを震撼させたピコ太郎の音作り」というもの。
https://togetter.com/li/1071021

(ちなみにナンセンス≠チープではない。僕はナンセンスなものが大好きで、ナンセンスなものにハイセンスなものは多い。モンティ・パイソンとか)

なんでも、PPAPの中に入っているカウベルの音は、あのRolandの、TR-808というドラムマシーンの名機中の名機の音らしく、それを聴けばDJ諸氏は一発で「この人はヤバイ…」と唸る音らしい。

さらにピコ太郎氏はそこに言及してもらえたことが嬉しかったそうで「その裏にはキックを強めるためにTR-909のスネアも重ねてあるんです」という、さらにマニアックな返答もしている。ちなみにTR-909というのはテクノミュージックの黎明を支えた808の後継のこれまた名機とのこと。


和の音の最高峰が挑んだナンセンスは、現代テクノミュージックの名機の音に支えられていた、というのがなんとも奇縁で、読んで感慨深い二記事だった。