二つ目の錯覚 | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

二つ目の錯覚

次に二つ目の錯覚。

今度は脚を下ろす際に速さを極力落とすことによってストロボ現象ともいえる錯覚を起こすことを考えます。

スピードを上げて脚が最高点に早く達したあとは、極力足先がその場に停留するような感覚、むしろ下ろしたくはないが重力によって自然と下りてくるくらいの感覚で脚を下ろしていきます。

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さて仮に、脚が本当に高く上がるからといって、何も考えずに上げ下ろしをイーブンペース、つまり上げ下げを「5:5」で行ったとしましょう。

この時、振りのカウントとしてバットマンにさける時間は決まっていますから、上げるのと下げるのに同じ時間を使うとした場合、最高点付近に足先が停留する時間はほとんどありません。

最高点に達した瞬間に同じ速さで下ろし始めなければ、カウント内にバットマンを完了することができなくなるからです。

次にこの上げ下げの時間及びスピード配分を「4:6」すなわち上げるのを速く、下ろすのを遅くしたとしましょう。

すると、イーブンペースで上げ達した時は「5」の瞬間にもう同じ速さで下げ始めなければいけないものが、「4:6」の場合は、「5」の瞬間に脚先をその場に停留させる余裕が、言い換えれば余韻が生まれるわけです。

結果、「5:5」よりも「4:6」の時間及びスピード配分であげた方が、脚先の最高点付近での停留が長く鑑賞者の目に映ることになり、すなわち、ストロボ効果ともいえる錯覚で、高く脚が上がっている印象を与えることができる、というわけです。


これは私にとっては、特にユニゾンを踊る際には、相対的にでも極力脚が低く見られたくないという、非常に姑息な考えとして作用、いや、利用することになりますが、それは次回に。