リトプリ終わってイナミのポスター
久しぶりに書くなぁ。というのもなんだかブログを書くエネルギーがなかったんだけど、書かないってのももはやアイデンティティの喪失のような、大げさにいうとそんな感じなんで、また書いて行こう。
リトプリⅡ、終わりました。ありがとうございました。
って具合に観客の皆様に愛された公演でした。ありがたや。
そういえば、前回までバラのシーンについて書いてたんだった。そこで力尽きてた。演出に絡むんでネタバレっぽくなったらなぁ…と思ってたんだけど、終わったからまあいいかな。愛嬌ってことで。
王子とバラのシーンは、王子とバラの間の回想シーンを傍で飛行士は見ているという演出を舞台ではしているわけ。
で、バラの王子に対するあまりのワガママさに、回想シーンにも関わらず飛行士がバラに「君はワガママだ!」と語りかけてしまうんだけど、それに対してバラが「それはあなたが愛してくれないから」と言い、「違う!僕は君のことを…」という飛行士に「あなたが愛してるのは自分だけ」と返し、飛行士が閉口する、というシーンになっている。
この瞬間だけ飛行士はサンテクジュペリ、バラは妻のコンスエロを投影されているわけだ。
さて、この物語を書いた当時、実際にサンテクジュペリは飛行士だったわけだけど、もちろん今のように飛行機の性能が良いわけでなく、飛び立つにあたって残される妻の想いやいかほどに…それでも繰り返し繰り返し空へと向かう男に対して「あなたは私よりも自分のロマンを愛してるのよ」というのも無理もない。
まさに飛び回る王子と、地上から動けない花に寓意として重ねているわけだ。
でも、飛行士でなくとも自分も実際に、仕事と私とどっちとるわけ?みたいなことを言われたこともあったりなかったりで、こういうのは社会構造上、相変わらず男と女の間に横たわる大きなテーマだったりする。
それを、王子とバラに普遍的な男と女の姿を、さらに飛行士とバラにサンテクジュペリとコンスエロという具体的な像を重ねることで、観客に「ああ…そうそう…」とリアルな共感を埋め込むことに成功している。
僕はこの演出とシーンが大好きで、というか、胸が痛むわけで、というか、俺だけじゃないさ30代以上の男女なら誰しも多かれ少なかれ響くだろうに、という意味で秀逸だなぁと思っているわけです。
やっぱ書くと長くなったなぁ。また明日。
ああクリスマスイブだった。よいメリークリスマスを、です。