「泣かないで」に想うこと⑥ | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

「泣かないで」に想うこと⑥

シャンプーは使うな!肌をゴシゴシ擦るな!「汚れを落としすぎるなよ、綺麗になりすぎるなよ、そういうもんじゃねえぞ」と菅沼先生に言われていたような気がする、ということと、音楽座ミュージカルが「俗にいう『ハッピーエンド』でない」ということが、なんだかリンクすると、前回は書きました。

さて、例えばよく言われることですが、さまざまなところで抗菌や除菌ができるようになり、多くの脅威から身を守ることができるようになりました。そういった意味では菌を例に上げれば「現状の周りにある危機」から逃れるられるようになりました。

情報でいえば、わからないことなどはWikipediaやyahoo知恵袋などに代表されるサイトを駆使すれば、ほとんどの情報を手に入れられるようになりました。何かを始める前にも、失敗したくなければ多くの人の前例などが簡単にいくつももみれるため、そういった意味では「未来の先にある危機」も回避できるようになったわけです。

ですが、それらは反動を生み出しているように見えます。
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直接の関連性は見出されていませんが、アレルギーやアトピーが極端に増大しており、乳製品や大豆、トウモロコシといった、普段生きていれば口にしてしまうような食品にさえ致死的な症状を起こしてしまう人も多く、今では学校給食も相当に気を使って作らなくてはなくなってしまいました。僕らが給食を食べていた時には考えられなかったことです。

また、生涯収入や支出におけるシミュレーション、はたまた政治や経済の動向がリアルタイムでわかるようになってしまったため、結婚や出産に踏み切りづらい状況が生まれ晩婚化や少子化に拍車がかかっています。かくいう自分も、現在の自分の収入や資格、免許、etc...を考えると、やはりなかなか難しいだろうなと思ってしまいます。(特に自分はなんでもリスクヘッジを念頭においてしまう傾向にあるので 笑)。一時期、できちゃった婚をする芸能人が多く、非難されることが多かったですが、それくらいのことがなければなかなか結婚には踏み切れないだろう、という話も少しわかる気もします。


なんだか現状や未来の危機をずいぶん回避できるようになった気がする一方で、その反動、もしくは副作用で、私達は肉体的にも精神的にも「未知の困難に対する耐性」が薄らいでしまったような気もするのです。


お、時間です。劇場に向かいます。
10年に1度の大台風ノグリーが予報では公演期間中に直撃ということもあり、大阪に入ったときは公演中止まで視野に入れた話をしていましたが、なんということか今日も晴れ渡っています。非常に手前勝手な見方で恐縮ですが、何かに見守られている気もします。被害ある地域もあるなかで本当に申し訳ありません。

しかし頂いた晴天に報いるよう、精一杯できることを今日もしてきたいと思います。

いってきます。