新宿タイガーさんと | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

新宿タイガーさんと

今回は新宿での公演だが、やはり深い街だ。行きや帰りに、普通はいないような人に会うことがある。ここじゃなかったらきっと会わないだろう人々。

そんな中に、僕が「花おじさん」と呼んでいた人がいる。初めて会ったのは大学時代。まだ高田馬場に住んでいた頃、新宿にもよく出てきていた。その時に会ったのだが、そのインパクトは強烈だった。

自転車いっぱいに花を飾り付けて、派手に歌舞いた着物を着て、自分自身も花やぬいぐるみをこれでもかと飾り付けて、自転車を立ち漕ぎで疾走しているのだ。
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この人。特に新宿三丁目界隈でよくみかけた。あの人は一体何なんだろう?と不思議で仕方がなかった。

あれから干支も一回りし、今回新宿の文化センターでの公演となった。昔おじさんを見かけたのに近い場所。おじさんのことなんか忘れてたけど、終演後、楽屋入口の外を歩いていると、何やら向こうからやけに派手でボリュームたっぷりの自転車が、、、まさか、、、!!

ああ!おじさんじゃないですか!!12年前と全く変わらぬいでたちで自転車を立ち漕ぎしまくっている。瞬間大学時代に戻ったかのような錯覚。

この方、実は「新宿タイガー」と呼ばれ今ではWikipediaにも記事があるほどの人物。50年間ずっとこの格好で自転車を漕ぎ、本人曰く新聞配達をしているそう。しかも出身が同郷の長野県。

この新宿タイガーさん、なんと翌日の朝スタバにこの格好で普通にいたもので、意を決して「写真、一緒にいいですか?」と聞いてみたところ、一切の無言。あ、まずったな、、、と思っていたらおもむろに虎のお面をかぶり、静かに親指を立てました。オッケーらしい!!

道ゆく人に頼んで、怪訝そうな顔されつつもパチリ。
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うわあぁぁ、いい写真だ。
ありがたい。


新宿タイガーさんをみてると、生き方ってのは本当にいろんな形があって、やり切ることがあればそれは立派に一つの形を成すんだと、なんだか勇気づけられる思いでした。

こんな人に会って、こんな写真が撮れるのも、今回の舞台が新宿であるからこそ。


新宿。深い街です。