一度会ってみたい人 | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

一度会ってみたい人

死ぬまでに一度会ってみたい人が三人いて、そのうちの一人が浅田次郎さんだ。
photo:01

「蒼穹の昴」を読んだ時に、初めて布団の中で手が止まらなくなるという感覚を味わった。この人は本当にこの時代の中国にいて、これらの登場人物をみていたんじゃないか、と思うくらい情景や人物描写が鮮明で、血が通っていて、物語のスケールの大きさに腰を抜かした。

その後「壬生義士伝」を読んで涙腺が壊れて、「プリズンホテル」を読んで腹がよじれた。

これだけ人を興奮させて、泣かせて、笑わせる話が、一人の人間、一つの頭から出てくるものなのだろうか?と不思議でたまらなかった。

経歴をみるとその不思議は納得と共にさらに深まる。自衛隊に入隊後、アパレル関係の仕事や、時には犯罪ギリギリの危ない仕事に手を染め、競馬で食べていたことも、、、そして作家として生きている。そんな生き方ができるのだろうか。人生が物語だ、もはや。

確か「カッシーノ」という本の冒頭にこんなような一節があったと記憶している。

『書きたいと思うことはいくらでもあって尽きることがない。アイディアもあるし、書くこともできると思う』

すごい。クリエイティブとはこういうことなんだろう。一度会って、話をしてみたい。話さないまでも、同じ部屋の空気を吸ってみたい。たぶん会ったら緊張してなにも話せないだろうから。前のメトロの時もそうだったし。僕は基本ビビリである。

そんな浅田先生の原作をもとに作品を作るカンパニーにいるのはラッキーだ。少なくとも普通の人よりは接近する可能性は高い。明日は今度やる「ラブ・レター」の制作発表がある。僕は当日その場にいるわけでないが、好きな菓子を調べたりしながら準備に微力ながら尽力している。

オシャレで旅行の時などは必ずジャケットにパナマ帽を被るけど、執筆時は文机に着物に原稿用紙に万年筆という姿で書いているという。僕の持つ「文豪」そのままの姿だ。

ああ、やっぱり人間がそのまま作品でエンターテイメントなんだな。

明日の制作発表はそんな浅田次郎さんも、もちろん登壇する。書くのが面白い人は話も面白い。その様子はUstreamで生放送されるので是非、ご覧になっていただきたい。



☆音楽座ミュージカル「ラブ・レター」制作記者会見
9月13日 14:00

Ustreamで生放送!
ご視聴はこちら↓
http://ustre.am/14yYV



iPhoneからの投稿