バッハがくれるもの① | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

バッハがくれるもの①

 どーもです。
 
 ブログを書いたところ、たくさんコメントとメッセージを頂きました。皆さん本当にクラシック詳しくて、そして大好きですね!自分の浅薄さが身にしみました。勉強になります。今日もとりあえずそれでも持論を書いてみますので、またいろいろとご意見頂けますと嬉しいです。

 
 さて、バッハのなかでもシンプルなリズム、特にリズムの均等性のある曲を聴くことが(シンプルでない曲もたくさんあるそうです。ありがとうございます)、自分にとっては非常に大きな作用をもたらします。というのは、ドラマティックなリズムの曲というのは、非常に心揺さぶられる物でありますが、これはどちらかというと脳で追っていくような感動になります。まるで本を読むかのような物語性にしびれるわけですね。
 
 一方、均等性のあるリズムというのは、やはり何かもう一つ本能的なところにアプローチしてくると思うのです。読経などもそうですが、古来より宗教的なものなどにみられるように、人間はある一定のリズムを用いることによって、深淵に到達しようとする様理があると思えます。これはきっと、心臓の鼓動や呼吸という生きていく上での最も根本的な二大生理活動が、一定のリズムを刻むということに大きく根ざしていると思うのです。

 つまり、バッハの持つシンプルな均等性のあるリズムの楽曲は、脳というよりは、もっと本能的な、ある種の潜在意識下に響くのだと思うのです。これは、大きな感動というものよりも、もっと静かな瞑想だったり、またはトランス状態に近いものをもたらします。

 かといって、ただ一定のリズムを叩いていれば良いかというわけではなくて、やはり人間はそこに美を見いださなくては簡単に飽きてしまいます。だからこそ、これだけシンプルで均等性のあるリズムであっても印象に残り美しいと感じる旋律をつけられるバッハというのはもの凄いと思うわけです。多くの変化に富んだリズムであれば、ある意味それだけでも印象には残るわけですから。

 バッハの曲であれば先にあげた「主よ人の望みの喜びよ」のような曲でしょうか。現代であれば、ちょっと違うかもしれませんが、たとえば坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」みたいなものもシンプルですが美しいです。なんとなくわかってもらえますでしょうか。

 
 また、こういったシンプルで均等性のあるリズム構成の曲というのは、実は、ファミリーコンピューターに代表される初期のゲーム音楽に似ているのです。あまりビット数もなく、単純な音符で良いメロディを創らなくてはならなかった時代の音楽が、何かしらこういったバッハの音楽に似ているような気がします。ですから、あの頃ゲームに勤しんだ年代の人間は、意外と皆バッハに嵌るのではないかなと思います。

 むしろ逆に、シンプルで均等性のあるゲーム音楽であったからこそ、僕らはそれこそ潜在意識下から、宗教的熱狂を持ってまで、ゲームに陶酔したのかもしれません。


 
 長くなりましたが、バッハのある音楽群が自分の性にあう理由の①が、
「シンプルで均等性のあるリズムであるが故に、潜在意識下に浸透し響いてくる」
ということでした。そしてそれは瞑想感やトランス状態を与えてくれる。

 遅くなりましたので、②はまた明日。