凄いぞ日本人!小澤の不等式① | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

凄いぞ日本人!小澤の不等式①

長野に帰ってきました。帰るたんびに過疎化していて不安になりますが。。。

さて、先の記事でも書きました「小澤の不等式」です。オリンピックでも日本人は凄かったけど、こっちも凄いぞってことで、僕の知り合いの物理のすんごい苦手な物理好きのために書いてみようかと。


量子力学の世界には「ハイゼンベルクの不確定性原理」という超有名な原理があります。どれくらい有名かというと、シュレディンガー方程式がビートルズなら、不確定性原理はマイケルジャクソンくらいです。ね?有名でしょ?とにかくとんでもない式というのはわかってもらえたでしょうか。

んでもってどういうものかというと、これまた超適当に説明しますと、

A×B≧h/4π

という形の不等式で表されるのが不確定性原理です。もはこの説明自体が不確かなんだけど雰囲気だけわかるように説明進めますと、たとえば電子の動きを測定したとして

Aは「電子の『位置』を測定した時の『誤差』」
Bは「電子の『速度』を測定した時の『誤差』」

ほんとは速度じゃなくて運動量なんですけどね、雰囲気です。雰囲気。でもって、h/4πっていうのは凄く小さい定数です。2とか4とかと一緒で、数です。hはプランク定数っていって超小さくて大事な数です。

さて、仮に、電子の「位置」を超正確に測って誤差を0に近づける、つまりAを0に近づけます。ここで上の式よりA×Bはある数より大きくなくてはいけないので、Bは逆に相当でかくならないといけません。そうしないと掛け合わせた時に0に近づいちゃう。だから、

「Aを限りなく0に近づけるとBは限りなく無限大になってしまう」

ということになるわけです。AもBも誤差でしたから、これはいいかえると、

「位置を超正確に測ると、速度がすんごいデタラメにしか測れない」

ってことになるわけです。逆もしかりで、「速度を超正確に測ったら、位置なんかどこにいるかようわからんわ」ってことになります。つまり、不確定性原理というのは

「量子の世界じゃ位置も速度も両方ピッタシになんか決まらへんで!なんて曖昧な世界なんやろー」

ということを言っているわけですね。なんとなくわかりましたでしょうか。

で、前にも書いたんですけど、ニュートン以降の古典物理学では、「モノの位置と運動量さえわかれば、この宇宙のすべての動きが計算できる、つまり、未来は決まっている!」という決定論的世界観だったのを、「あー、無理無理、そんなん全然曖昧で計算できひんて。未来なん決まってへんわ」と不確定性原理は覆しちゃったわけです。もう物理学者ビックリ仰天。

さらに、これまた超有名な二重スリット実験で、「電子は、粒でもあり波でもある」なんて矛盾することが実は真理らしいという超重要なことがわかってきたところで、この不確定性原理は、量子力学の描き出す世界の「曖昧な真理」を表す原理として、非常にインパクトがあり、重要な不等式だったわけです。

もうインパクトありすぎ重要すぎ偉大すぎで、誰も疑念を挟もうとも思いませんでした。しかし、実は数学的な深い解釈における証明は裏付けられていなかったのです。

そこで出て来たのが、そう!我らが小澤正直さん!!80年たって、どうやらハイゼンベルクの不確定性原理の不等式は、なんかちょっと違うんじゃない?と言い出したわけです。これは世界のマイケルジャクソンファンの前で、

「んー、マイケルって本当にダンス上手いかね?」

って言うようなもの。まあちょっと違うかもしれないけど、凄いでしょ?



あ、眠くなってきた、瞼と意識が不確定性になったところでまた明日。




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