城より石垣 | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

城より石垣

島原の会館は、隣が島原城という好ロケーションでした。皆、本番前の空き時間を使って散策してはリフレッシュしています。

さて、今回の公演でも色々な城址を回りましたが、実は自分としては城そのものよりも石垣の方が好きだったりします。
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城郭自体は、綺麗ではあるのですが、大概改修工事が施されています。その反面、石垣はほぼその当時の石のまま組まれていて、こちらの方がリアルに歴史の臭いを感じるからです。
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まさに「重み」とでもいいますか、古く巨大な石が、一見乱雑に、しかし秩序をもって空に屹立するのをみると、途端にこれを組んでいた時代にタイムスリップするような錯覚に陥ります。昔の人もこんな風に空を見上げていたのかなと。
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中にはこんな巨大な根石もあって、重機の無い時代にどうやって組み込んだのか、きっとこれを置くのに一日がかりで仕事をしていたのだろうと、かってに汗だくで働く褌姿の男衆を想像してしまいます。
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間から草が顔を覗かせていたり、苔むしていたりするのは、歳月の積み重ねが見られて尚いいです。触るとひんやりとして、今後もここにあり続けるであろう冷静さを感じさせます。

まあ、これは特に日本特有というわけではないし単に加工技術がなかったのかもしれませんが、ピラミッドや西洋の建築に比べて、石をそのままの形で積み上げてしまうところに自然との調和をみる日本気質みたいなものを感じて、なんだか安心するものもあるのです。
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色々なものが変革とスピードを求められる時代に、素朴な姿でどっしりと変わらぬものがあっていい。

夕日に照らされる石垣がそう語っているようにも見えます。




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