ジョルジョ・デ・キリコ | 渡辺修也オフィシャルブログ「雨ニモマケズ」Powered by Ameba

ジョルジョ・デ・キリコ

昨日の影の写真で思い出しました。

好きな画家でジョルジョ・デ・キリコがいます。
形而上絵画の創始者であり、後のシュルレアリスムに多大な影響を及ぼした画家です。

前に書いたフランシス・ベーコンと同じく、本屋で画集を何時間も立ち読みしてしまいます。

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キリコの絵はどこか不穏で、寂しく、それでいて懐かしい気持ちになります。
心がささくれ立った時に、よく眺めます。不思議と、色々なものが静まってきます。

不自然な構図、暗い色調などが、その気持ちを起こす要因ではありますが、なんといっても長く伸びた影がその一番の原因になってると自分は思います。

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ある意味、虚像であるはずの影が主体性を帯びてしまうことにより、見ている自分の内面の深層が、表象してしまうような危機感を覚えるのです。

そしてその影が、本来ならば揃うべき角度もずれていて、より不安定さを増します。


でも、眺めることがやめられません。


きっとどこかに、自分の見えぬ深層心理と向かい合ってみたいという欲求があるのです。


キリコの絵は、その長い影は、永遠と孤独を孕みながら、我々のそんな欲求を優しく認め、引き出してくれるのだと思います。