毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。
今回の兼題は「花野」でした。秋の野の草花が咲き満ちている野原です。いつも散歩している公園はコスモスの花壇が広がっていて、今の時期になるとボランティアの人達でしょうか、色とりどりにコスモスを植えて行ってくれて、出来上がった公園は一遍に秋模様に変わります。ただ、季語の「花野」は人の手が入っていない自然の野原に秋の七草などが咲く、淋しさを少し思わせるような原っぱのことを意味するようなので、厳密にはこのコスモスの公園は「花野」ではないのかも知れません。
花野暮れ神々の編むかんむり座
(はなのくれ かみがみのあむ かんむりざ)
前回も星や星座を入れた句を詠みましたが、今回もその続編で星座が登場します。かんむり座は、うしかい座とヘルクレス座に挟まれた小さめの星座です。王冠のように星が並んでいるので、珍しく、名前のとおりに星を繋ぐことができます。最近はちょっと見方を変えて、女性が頭につけるティアラの形をしていると言ったほうがお洒落で、女性受けも良いようです。ティアラの正面から少しずれたところに明るい星があるので、それがティアラに付けられた宝石に見えます。
そんなかんむり座ですが、今年はその中の一つが爆発するという予測がされています。オリオン座のベテルギウスとは違って、何時爆発するか分からないという訳ではなく、今年中には必ず爆発すると予測できている星です。わたしも夏前から観測しているのですが、未だに爆発せず、もう秋になってしまいました。爆発した星が見えるなら西の空で、太陽が沈んだ後のまだほの暗い時間になりそうです。丁度その方向にはコスモスの公園があり、かんむり座との共演が見られそうです。そう言えば、子供の頃、田んぼのれんげ草やしろつめ草を摘んで、輪っかの形に織ってかんむりを作って遊んだことがありました。あの時のかんむりとは大きさが比べられないほど違いますが、星座の神々に合ったサイズですから、花野もそれに負けないくらい広いものをいつか見に行きたいですね。
うちの周りの住宅街は、最初と比べると随分と家が建ち並ぶようになりましたが、まだまだ空き地が残っています。放ったらかしで、自然のままの草花が茂っているのですが、秋の七草とは違って、背高泡立草をはじめ雑草だらけで、いくら自然のままと言ってもこれでは「花野」とは呼べない状態です。けれどもそこが整地されて新築の住宅が建てられ、新たな家族が引っ越してくれば、その時から夢も希望もある花野のように様変わりします。うちも数十年前にはそうだったのですが、今は家族も減ってしまい、冬がすぐそこに来ている晩秋のような花野です。