毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

 今回の兼題は「鮎」でした。魚釣りはしないので、食べる対象としての鮎についての経験しかありませんが、毎年解禁日になるとニュースで流れるので、楽しみにしている人には特別な魚なんでしょうね。夏の川魚の代表で、川の水や苔の香りのするところから香魚とも呼ばれています。残念ながら、スーパーに並べて売られている鮎しか知らないのでどのような芳香がするのか分かりません。ぬるぬるした粘りのある体から瓜のような香りがすると説明が書いてありましたが、そう言えば瓜の匂いもしっかり嗅いだことがありませんでした。

 

 ゴムとびを競ひし川辺鮎遡る

(ごむとびを きそひしかわべ あゆのぼる)

 

 鮎は急流に棲み、珪藻などの水苔だけを食べるので、清流でしか見られません。「若鮎」も季語になっており、こちらは春の季語となっていますが、“若”という漢字が付いているせいか、そちらのほうを先に思い浮かべてしまいます。歳をとると、若かった昔のことを思い出しては懐かしさと、もうあの頃には帰れない無念さのようなものを同時に感じてしまいます。

 保育園の頃には女の子とも何の屈託もなく遊べました。小学校に上がれば少し気になるようにはなりましたが、それでも低学年の頃にはまだ遊べていました。以前、一度書いたことがありましたが、女子の間でゴム跳びが流行っていた時期があって、その時は男子の間では流行りませんでした。理由は上手く言葉にできませんが、まぁそういうものだったのです。その様なことがあってから、そして同じようなことがたまたま続けて起きてから、各々異性というものを意識し始めたように思います。よく考えてみたら、別にゴム跳びは、もっと小さかった頃には女の子と遊んでいました。その子の家の側には川が流れており、透明な水が流れていたのを覚えています。鮎が川を遡るように人も人生を遡って過去に戻れればよいと思うのですが、それができないのが人生であって、人の一生であるので仕方ないですね。

 

 今年はまだ鮎を食べていません。スーパーの鮮魚コーナーでもまだ見掛けた記憶がないのですが、単に見落としているだけかも知れません。鮎は食べて美味しいだけではなく、見た目も綺麗な魚だし、釣りをする人なら更に、自分の手で直接獲って食べられるのだから格別な味わいでしょう。ガーデニングをするわたしがたまたま綺麗に咲かせることができた草花に特別な思い入れをするのと同じですね。花は食べられませんが...