『脳の鍛え方 - 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』 | 千代田区M&Aバンカーの雑感

千代田区M&Aバンカーの雑感

高3で英検1級、23才でUSCPAを取得。大手監査法人(M&A)、経営者、スタートアップCFO、外資FP&Aを経て現職(IB)。ジョブホッパーでジョブ型雇用推進派。ビジネススクールに留学中。貧困による教育格差、日本人のfinancial literacyの低さ、日本の英語教育が関心ごと。。

僕は能力/脳力を高めるために、サプリメントを毎日摂取していることをお伝えしていますが、サプリメントによってだけではなく、運動によっても能力/脳力を高められることが出来ることをご存知でしょうか。これは、経験則ではなく、ハーバード大学やミネソタ大学含む多くの権威ある研究機関によって科学的に証明されていることです。

(脳内ノルアドレナリンが増加し、不安感がなくなり、様々なことにやる気が起こるようになるL-チロシンと呼ばれるサプリメントです。詳しくは頭が良くなる薬(サプリメント)をご参照ください。)

 

特に近年のハーバード大学メディカルスクールの研究によると、運動は直接的にも間接的にも記憶力と思考力を高めることが明らかになっていて、インスリン抵抗性や炎症の減少などの生理学的変化を刺激するとともに、脳内の新しい血管の成長、さらには新しい脳細胞の量を増加させ、セロトニンなどの幸福ホルモンなど健康に影響を与える化学物質の生成を促進し、身体に直接作用することが明らかになっています。身体だけではなく、脳自体にも直接作用し、多くの研究によると、思考や記憶をコントロールする脳の部分は、運動をしている人の方がしていない人よりも大きいのだそうです。

 

さらに興味深いのは、6カ月または1年にわたって定期的な運動を行うと、特定の脳領域の容積が増大するという知見である、ということが研究により明らかになっています。
特に筋トレなどの無酸素運動よりも、マラソンやウォーキングなどの有酸素運動の方がより効果が得られやすいそうです。

 

僕自身、実はニューヨーク大学ビジネススクール(ニューヨーク大学レナード・N・スターン・スクールでは何をどう教えているのか?)と並行して通いたい大学院があり、その勉強のために、モーニングルーティンとして、朝は30分ほどの散歩をして、その後1時間ほど勉強をしてから、出勤するというスタイルをとっているのですが、散歩のおかげか、勉強の効率は異常に高いと感じています。また、ブログなどを書く前も30分ほど散歩をしてから行うと、良い記事が書けるな、というのが主観的な感想です。

 

なので、受験生の方やuscpaなどの資格試験の勉強をされている方は勉強一辺倒にならず、毎日30分~1時間ほどの散歩をすることをお勧めしたいです。ランニングにしてしまうと、イニシャルコストが高いので誰でも手軽に行える散歩(ウォーキング)をよりお勧めします。ランニングだとやらなかったときに自己嫌悪したりして、逆にストレスが溜まってしまうからです。

 

散歩/ウォーキングでも十分に効果があるので、受験生の方や資格試験を勉強されている方はぜひお試しください。しかも、ハーバードの研究によると、6カ月または1年にわたって行うとより大きな効果が期待できるそうなので、是非毎日継続して長く行うとよいかもしれません。


同様のことは実は以前紹介した「脳を鍛えるには運動しかない!」にも書かれていて、これ以前図書館で借りて読んだのでもう一度借りて読もうと思ったのですが、10件ほど前予約があり、中々借りることが出来ない状況なほど、大人気の本になっております。

 

 

脳を鍛えるには運動しかない!  最新科学でわかった脳細胞の増やし方
ジョン J. レイティ エリック ヘイガーマン
NHK出版
売り上げランキング: 551

 

本書は、医学博士で、ハーバード大学医学部准教授の著者が、運動することによってどうして神経細胞が増加するのかを解りやすく解説した医学書です。現代人のほとんどが抱えている心の病、 不安・うつ・依存症など症状別に10項目あり、その時の脳細胞にどんな変化が起こっているか実際にあった事例を挙げて書かれています。専門用語 の解説も付いていて、理科が苦手なひとでも納得できます。そして項目の最後に運動のやり方がア ドバイスされていますので、明日からすぐ実践できるうれしい本です。

 

 

 

【補足】以下、運動が如何に能力/脳力を高めるかを別の知見からも調べてみたので、よければご参考くださいませ。

  • 運動が脳の健康を改善する仕組みについて

運動が認知機能を改善する方法はたくさんある。有酸素運動(カルディオとしても知られる)は心拍数を上げ、脳への血流を増加させます。心拍数が増加すると、運動の強さに応じて呼吸が激しく速くなります。呼吸の増加によって血液中に送り込まれる酸素の量が増えると、脳に送られる酸素の量も増えます。その結果、記憶や思考を制御する脳の特定の部分で神経新生、つまりニューロンが生成されます。神経新生は脳の容積を増加させ、この認知予備能は認知症の影響に対する緩衝作用に役立つと考えられている。

認知と運動を結びつけるもう1つの要因はニューロトロフィンである。ニューロトロフィンは神経細胞の生存と機能を助けるタンパク質である。運動はニューロトロフィンの産生を促進し、脳の可塑性を高め、記憶と学習を改善することが知られている。ニューロトロフィンに加えて、運動は脳内の神経伝達物質、特に情報処理と気分を高めるセロトニンとノルエピネフリンを増加させる。

 

 

 

 

Reference

1.2018行動指針諮問委員会。2018Physical Activity Guidelines Advisory Committee Scientific Report.。ワシントンDC:U.S.Department of Health and Human Services、2018年。

2.バン・プラーグ、H.(2008)。神経発生と運動:過去と未来の方向。神経分子医学,10 (2),128-140.。

3.リビングストン、G.、ソンマーラード、A.、オルゲタ、V.、コスタフレダ、S.G.、ハントリー、J.、エイムズ、D.、...。クーパー、C.(2017)。認知症の予防、介入、およびケア。The Lancet、390(10113)、2673-2734。