私は第2の人生を楽しんでいる。

 小学校教諭として34年間、自分なりに一生懸命に仕事をしてきた。教員時代はかなり忙しかった。時間に追われ、仕事量に追われた。でも、かなりやりがいはあり、自分の思いはしっかりと出し、自分なりに一生懸命に勉強し仕事してきたとも感じている。充実していた日々だった。

  2年半前に教員を辞めたのは、転職して個人で今の仕事(相談支援専門員)に就きたいということと、今までとは異なる生活スタイルを生きる人生を送りたいと思ったからである。

  それが、「スローライフ的な生き方」だった。

  スローライフとは、「効率と便利を追求する現代社会の中で、あらためて自分の生活と自分自身を見直しながら、ゆったりとした時間を持つ暮らし方」(精選版 日本国語大辞典)とあり、「人生をゆっくり楽しもう」という考え方で生きることと私は勝手に解釈している。
  

 そのため、私はいくつかの視点を持ってこの先の人生を送ることを考えた。

 一つ目に、自然を見つめて生きる。

 家庭菜園を始め、作れる野菜はできるだけ作ろうと考えた。無農薬・無化学肥料、有機農法で、自分の家族が食べる分を、できるだけ自給自足に近い状態を目指して。毎日朝夕畑へ行き、野菜の成長を見る時間を楽しんでいる。
 まだまだ下手で失敗は多く、形も美しくないが、安心・安全ではあるとは思っている。50種類以上は作っていて、保存方法も妻と一緒に考えながら取り組むのも楽しい。
 

 

 ニワトリを飼い、自家採卵を始めた。7羽のメスと1羽のオス。一日平均6個産んでくれて重宝している。毎日の世話は大変だが、のんびりとした気分になれる癒しの時間ともなっている。
 

 庭の片隅でシイタケなどのキノコの栽培も始めた。25本ほどの切り出した原木に種コマを打ち込んだ。キクラゲ、ヒラタケも試している。

 四季折々の野草の時期も見逃さない。タラの芽、ツワブキ、ワラビは王道、他にも食べられるものは進んで食している。

 二つ目に、できるだけ時間に追われないような生活をする。

 教員を退職したとはいえ、現在の相談支援専門員の仕事もかなり忙しい。自分でスケジュールを立て、会議やモニタリングに出かけていく。余裕を持ち、詰めてしまわないように考慮しながら、先の予定を決めていく。できれば、月~金のうち、丸1日もしくは半日思い切って休むこともある。(個人企業なので、有給休暇はないし、縛りもない)ただ、だんだん利用者数も増え、多い月には30名ほどの利用者を抱えるようになってきたので、自分のキャパシティをそろそろ考えなければとは思っている。

 どんなに忙しい時でも朝・夕はウオーキング(30分~1時間)の時間を取る。季節や自然を感じながら一日のことをゆっくり考え、振り返るひとときとなる。
  
 三つ目に、一日のリズムはできるだけ同じように整える。

 同じ時間に起き、同じ時間に食べ、同じ時間に寝る。でも強制はしない。朝は早く目が覚めるのは習慣化している。夜は眠くなくても同じ時間に床に着く。夜中眠れない時にはすごく早く起きるが、その分の時間を読書などで楽しんで過ごすようにしている。

 四つ目に、何事ものんびり構えて取り組む、無理しない。

 現在も仕事はしているし、お金にならないいろいろたくさんの役割も持っている。でも、できるだけ「しなければならないこと」として追われたくない。自分なりには一生懸命に取り組みながらも追い込まない、開き直ってやる。楽しむ。こう考えると何とかなるもの。かえっていい仕事をしたような気がする。

 いろいろな視点を持って第2の人生を生きているが、現実はそううまくいかない時もある。毎日が忙しい日々であるのも事実。でもスローライフ的な生き方という視点を持って生活をしていくことで、私はその日その時の人生を楽しめるようになってきたように感じている。

 どんな時も何があっても焦りは禁物。忙しくとも心に余裕を持ち忙しくしない。ゆっくりと構え、のんびりと前向きに生きていこう!