令和4年12月から、地元の市の民生委員・児童委員をすることになった。

 これまで30年以上小学校の教員をしてきて、民生委員の存在は私にとってもいろいろとお世話になり、子どもたちの教育環境について支援をしていただいたことがあり、かなり頼りにしていた方がたくさんおられた。更に、支援を必要とする子どもの教育にかかわり始めてから、担任としての私にとって、大変大きな支えとなっていた。

 もちろん、民生委員・児童委員は、子どものいる家庭だけでなく、高齢者、障害のある方など、支援を必要とする方への支援を行うものである。    

「民生委員」は非常勤の地方公務員。ボランティアとして活動するため給与はなし。社会福祉のために地域住民の立場から生活や福祉全般に関する相談・援助活動を行う。100年の歴史を持つ。また、全ての民生委員は児童福祉法によって「児童委員」も兼ねており、妊娠中の心配ごとや子育ての不安に関する様々な相談や支援を行っている。(政府広報オンラインより)

 主な活動は、
①担当区域の高齢者や障害者のいる世帯、児童・妊産婦・母子家庭などの状況把握。(家庭訪問や地域での情報収集など)
②ニーズに応じた福祉・サービスなどの情報提供。
③支援が必要な方の様々な相談に応じ、助言を行う。
とある。

 私は「主任児童委員」という、主に子どものいる家庭の支援を任されることになった。各地区に一人の民生委員は配属されているが、主任児童民生委員は少し大きな地域(本市では中学校区)を2人での担当となる。

 私は本市の小学校教諭だったこともあり、学校とのつながりもある。学校では教育相談という立場で様々な家庭の保護者の相談に乗り、その子にとってより良い教育について一緒に考えてきた。

 特別支援教育に関わり、障害のある子どもたちと接してきたが、2年前より相談支援専門員となり、仕事として地域で暮らす支援を必要としている子どもたちや障害のある方々の生活を支え、福祉サービスにつなげる立場にもある。

 養育里親となって子どもたちを預かる中で、支援の必要な家庭や子どもの実態もかなり見てきた。「貧困家庭」、「ヤングケアラー」と言われている子どもとも実際に接してきた。

 また、障害者地域相談員としての役割も任され、福祉制度につながらない障害のある方の支援の相談に乗り、生活のあり方を一緒に模索する立場にもある。

 私的にも両親を自宅で看取りをした介護経験がある。それは、ほとんど妻に頼っていたが、「認知症問題」「高齢者の福祉サービス」とは何かをしっかり学ばせてもらった。高齢者の介護についていろいろなことを学ばせてもらった。

 考えてみると、公私ともに私の中でこれらのことが重なり合い、連動している。やるべき動線が少し見えてきた。

 これまでに経験してきたことがこの民生委員・児童委員という役割にも共通するものがあり、自分の人生にとって意味のある与えられたものであり、使命であるのかもしれない。

 民生委員・児童委員にとって大切なことは、「気づくこと」「福祉につなげること」と研修で学んだ。私のこれまでの経験や人脈を使って、その方やその家庭のよりよい支援ができたらと考えている。
 
 私の気づきを持つ。そして、民生委員同士でも横の連携をしながら理解を図って支援の輪を拡げていく。行政へもしっかりと伝え、サービスへつなげていく。学校や福祉施設へも情報提供をし、提言を行っていく。

 なんだか、かなり忙しいことになってきた。でも、充実している。「心を亡くす」ことなく楽しみながら向き合い、やりがいのある日々を送りたいものだと思っている。