教員になって最初の数年間は学級通信を作ることが苦しかった。

 これは、その担任の裁量によって枚数や記事内容を考え、児童や保護者に伝えていくものであるが、当時書くことを大変苦手としていた私は、何をどうしていいか、どう書いて表現すべきか、担任として何を伝えていくべきかを大いに悩んだ。
 

 またその当時は手書きの時代だった。写真やイラストを入れるだけでも切り貼りをし、手間取り、スペースの割り振りも難しかった。苦しんで、苦しんで何とか月1枚出していた感じだった。

 そのうち慣れてくると、教育に対する自分の思いが積み重なってきて、伝えたいことが溢れてくるようになってきた。そうなると、もっとも活用できるのが学級通信となっていった。

 いつの間にか楽しんで発行するようになっていた。B4用紙で年間100枚を目標に、週2枚~3枚出すようになっていった。初めて1年生を担任した7年目には最も気合が入っていて、224枚出した。(その時の授業日と同じ、完全に毎日1枚)内容は担任する学級、児童のその日の様子、児童の作文などの他に、自分が学んだ教育・子育てにおける知識を載せていた。

  特別支援学級を担任するようになってからは、保護者だけでなく、学校内の先生方にも学級の様子や特別支援教育について研修で得た知識、自分の考えを伝えていく手段になった。必要な時には地域の方、民生委員など、関係する方々に理解を求めるために渡した時もあった。

 この20年では、パソコンによるワープロを使うようになり、月2~3枚程度,A4用紙1枚で定期的に発行することに心がけた。特別支援学級通信だけでなく、特別支援教育コーディネーター通信も発行し、障害等支援の必要な児童のこと、障害者福祉について、啓発を図った。障害を理解してもらえる本も私なりに解説し,紹介していった。


  最近では、教員の激務がクローズアップされ、「働き方改革」が提唱されるようになった。仕事量を減らしていく方向性の中で、よく学級通信も話題に上がってきた。

 学級通信は担任、担当する先生方の義務ではない。だが、思いを伝えていくという大切な役割がある。無理のない枚数で、楽しんで取り組むべきであると思う。

 小学校教諭を退職し、通信を書くことはなくなったが、今度はこのブログが不特定多数の方々へ自分の思いを伝える通信となっている。

 

 読んでもらえる方へ、これからも熱い思いを発信していきたい。