「赤いコートの女の子」
「だれかをまっているの」
女の子はだまってうなずくと、
窓わくの椅子にのって窓の外をながめました。
雪、雪、雪がふっています。
いとでんわ きらきらちらちら おやすみ バレリーナ 赤いコートの女の子 踏切(もどり雪)
いとでんわ
「まだかな。まだかな」 さっきから、ゆきはなんども窓のそとをながめています。
「あっ、きた」 パパとようこさんが、やってきます。・・・
きらきらちらちら
ゆきとももちゃんは、公園のブランコにのってあそんでいます。
「デパートでお人形がたくさん、おいてあるところで見たよ。ゆきの手にのるくらいちいさくて、にんげんのからだしているんだけど、葉っぱのようふくをきてて、ちょうちょうみたいな羽をつけていたよ」
「ふうん。妖精さんているかな」・・・
おかあさんは、ベットのうえのあかちゃんをやさしくあやしています。
おやーすみ、おやすみ。
おおきくなったら、おかあさんとおはなししようね・・・。
あかちゃんが、すやすやねむりにつくと、おかあさんはそっとへやのあかりをけします。
―ぼくのくつちいちゃくなったよ
三さいになったよ―
「おかあさん、おはなしして」・・・
バレリーナ
「あすは、やすみだから、ねんいりにみまわりしておかないとな」
みまわりの青年が、あかりのきえたびじゅつかんをみまわりしています。
もうまよなかすぎ。
ひるま、けんぶつにんで、にぎやかだったびじゅつかんも、いまはひっそりと
しずまりかえっています。
みまわりの青年のくつおとだけが、びじゅつかんにひびきます。
コッコッ、コッコッ、コッ。
『バレイーナ』の絵のまえにくると、青年のくつおとが、ぴたりととまりました。・・・
「雪がふってきたな」
きょうさいごの電車をおくると、駅長の野本さんはいいました。
駅舎の扉をしめます。
駅舎の窓あかりがきえました。
雪はしずかにふります。・・・
「あら、もうでかけるの」
「ちょっと早いけど、母さん。先に、駅で待っているよ」
「じゃあ、後で駅でね」
早々と玄関でスニーカーをはくぼくに、母さんは言った。
ぼくは、玄関を出た。・・・
六つの作品を編んでいます。




