
Domaine Des Lambrays, 1999 Cros Des Lambrays Grad Cru
香典返しのカタログショップで交換した、良さげなお肉を料理したので開けた。老獪さは全くなく、かと言って青さもなく、ちょうど良いタイミングで飲めたのであろう。開栓当初は妖しい獣香いっぱいだったのが、時間が経つとひたすら滑らかに変化。バランスの良さが長所で取り柄のワインだと思った。
このワインは2003年に帰国するちょっと前に、よく行っていたアルザスのワイン屋さんで購入した2本の残り1本。このワイン屋、独仏国境のゲート跡から1km無かったと思う。このワインは帰国前の最後の記念と思って購入したのだが、その時告白するには、主の親父は当初下手糞なドイツで話し掛けてくる東洋人を随分訝しんだそうな。そう言う親父も相当な変わり者で、アルザスの北の端にありながらボルドーやら南西地方やら、果てはプファルツまで売っていて、地酒ばっかりが当たり前のフランスでは相当に「ヘンな店」だった(自分でそう言っていた)。もっともプファルツのワインは作り手が友人だから、売れないけど置いてるとは言っていた。でもその時「前回から本数減ってません?」と言ったら、自分で飲んだのだと言っていた。やはり変わったワイン屋だ。まあ、親父はエンジニアを引退してからワイン屋を始めたそうだから、趣味みたいなお店だったのかもしれない。
私は2,3ヶ月おきにやって来る、ヘンなワイン屋のヘンな客だったに違いない。プファルツの作り手談義をした後で、親父にお勧めのボルドーワインを尋ねて買ったりするくらいには。まあ、その分親父の趣味の店にちょっとは貢献できたであろう。親父のお勧めワインは結構な本数日本に持って帰ったが、20年も経つともう残り1,2本である。
久しぶりにあの時購入したワインを飲んで、そういえば、という感じに当時を思い出した。あのお店は、まだあるのだろうか?親父さんは、今でも趣味のワインを列べているだろうか?