改めまして。





『柳原和也の場合』





ご来場くださった皆様、本当にありがとうございます。





無事に公演日程を終えるコトが出来ました。





来てくださった皆様には感謝しかありません。










今回出演した柳原和也とはもう長い仲になるのですが、





今年のはじめ頃から、ちょくちょく会う度に





「たかちゃん、俺ひとり舞台やりたいんやけどー」と





酔っぱらっては言っておりました。





『どうせ、酔っ払いの戯言』と話はんぶんに聞いていました。





しかしながら、





酒を飲んでいない時にも





「たかちゃん、やっぱりひとり舞台やりたいやけど」と。





うーん。





ひとり舞台だなんて、役者でも躊躇するものだし、それもド素人だし。





なんせ、オレ自身、脚本も演出も、やったと言えるほどやった事ないし。





「ホントにやんの?」

「やりたい」

「想像してる数十倍しんどいよ?」

「やりたい」

「おそらく、フルマラソンの比じゃないよ?」

「うん」

「もし赤字になったとしたら、それも全部背負うんだよ?」

「うん、わかった」

「…じゃ、やるか」

「うん」





完全に根負けしました。彼の熱意に。





そして、即後悔しました。





ゴール地点の見えてる者と、ゴール地点の見えていない者。





その人間をゴール地点まで騙しながら、褒めながら、貶しながら、連れていく作業。





「登山やりたい!」って言っていた奴に、





ハイキングじゃなくて、ロッククライミングをやらせるようなもの。





打ち上げで聞いたら、やっぱり彼は高尾山を登る気でいました。










でも、やるからには絶対に手は抜きたくありませんでした。





個人的には今後、脚本はやってみたい気持ちはあったので。





つまらないもの作ったら今後、誰も観にきてくれないと思ったので。





「オレに頼んだ和也が悪い」とムリヤリ登らせました。










何本か、ひとり舞台は観た事あったんですが、





そのほとんどはオムニバス。





そして、そのほとんどがその役者が好きで観に行くものばかり。





だから単純に楽しめるんです。その人の世界観だから。





その人をもっと知りたいと観に行くものだから。





しかし今回は、演技はド素人、知名度もない。





どうしたらいいか悩んだ末にドキュメンタリーを選びました。





こいつの良さを、こいつの熱を伝えるには、真っすぐな方がいいなと。





ボーカルでも、ギターリストでもなく、普段スポットの当たらないドラマー。





そこに興味が、個人的に沸きました。





『なぜ、ドラムだったんだろう?』と。





初めの頃の稽古はほぼほぼ取材。





取材をもとに本を書いては相談の日々。





そして、ある時『こうして色んな挑戦を続けるのはなぜなんだろう?』にひとつの答えが出た気がしました。





【自分でやるって決めたんなら最後までやり切りなさい】





色んな挫折を経験しつつ、それでも続ける理由。
無謀と思える挑戦に、飛び込んでいく理由。
和也が真っすぐで、素直な理由。





ただ、それを素直にみせたいなと。










冒頭から、本編から、最後まで。





ひとりのドラマーが約三ヶ月ちょっとで、ひとり舞台という山を登る挑戦。





その挑戦自体をみせたいなと思いました。





それが柳原和也と親しい人にも、柳原和也を知っている人にも、柳原和也を初めて知った人にも、





柳原和也を愛してもらえるんじゃないかって。そう思ったんです。










【自分でやるって決めたんなら最後までやり切りなさい】





簡単そうにみえて、なかなか簡単なコトではありません。




でも、それを和也はやりきってくれました。










投げたしたい時も、俺をぶん殴りたい時もあったと思います。





同い年の俺に文句も言わず、信頼して最後までついて来てくれて、ありがとう。





初舞台のカーテンコールの景色はどうだったかな?





なかなかいいもんでしょ?笑





でも、本気でやり切らないとあの景色はみれないんだ。





だから、無茶もいったんだ。許しておくれ。





またなんか、一緒にやろうな。





今度は逆もアリかな。笑





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