浅田真央…次のステップ3Aと3-3 | フィギュアスケート研究本

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【フィギュアスケート】浅田真央、村上佳菜子…それぞれの次のステップ

2012.12.24

辛仁夏●文 text by Synn Yinha  岸本勉●撮影 photo by Kishimoto Tsutomu

 激戦だった男子と比べると、全日本フィギュアスケート選手権での女子の戦いは、収まるところに収まったという結果になった。
 
 エース浅田真央はその牙城をしっかりと守り、ショートプログラム(SP)2位から、フリー1位の合計193.56点を出して、2年連続6度目の全日本タイトルを逆転で手にした。また、世界代表の顔ぶれも昨季と同じで、浅田を筆頭に総合2位の村上佳菜子、SP首位から総合4位に沈んだ鈴木明子となった。この3人には2014 年に行なわれるソチ五輪(ロシア)の出場枠(最大3人)を取るという大仕事が待っている。

 今季、GPシリーズ2大会とファイナルで3連勝という結果を残してきた浅田は、今年最後の試合となる全日本で「ミスのない最高の演技で締めくくりたい」と口にしていたが、SPとフリー、ともにジャンプで失敗して課題を残した。それも得意な3回転ループと3回転フリップでのミスだった。一方で、これまで苦手としていた3回転ルッツ(不正エッジ判定は取られたが……)とダブルアクセル+3回転トーループの連続ジャンプはきっちり成功させている。

 バンクーバー五輪以後、ジャンプの修正に取り組んできたここ2年間はスランプに陥ったが、今季は明らかにその修正段階で手ごたえをつかみ、ジャンプの質が向上してきたように見える。何らかの変化が浅田のジャンプで起こっているのは間違いない。ジャンプ直前に失速していたスピードがそれほど落ちなくなったこともそのひとつで、このことがタイミングのズレを生んでいると考えられる。まだ修正途上で、浅田本人も佐藤信夫コーチも「道半ば」というが、いまはまだ変化中のジャンプが安定感を増してくれば、ソチ五輪に向けてさらなる「向上とレベルアップ」は次の段階へと進むはずだ。

 そして、それは五輪金メダルを狙う上では必ず進まなくてはいけない段階でもある。この全日本でも、技術点の伸び悩みを露呈している。決して点数が低いわけではないが、世界のトップ選手と勝負するには少々心細い。今回、技術点だけを見るとSPでは4番目、フリーでは5番目の得点だった。3回転の連続ジャンプや難度の高いジャンプ構成で挑んできた若手に後れを取ったことは否めない。

 だからこそ浅田も、五輪プレシーズンの前半戦では封印してきた「最大の武器」であるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)のことや3+3回転の連続ジャンプについて言及し始めたのではないか。

「自分は3+3回転の連続やトリプルアクセルをやっていたときがあるので、それを試合でできたときにようやく喜びというものが得られると思うので、今はまったく満足はしていないです。まだぜんぜん完璧には戻ってはいないと思うので、ようやく半分きたかなという感じだと思います。やっぱりトリプルアクセルや3+3回転の連続ジャンプも入れていたときぐらいのレベルになって、自分がどこまでできるかというのを楽しみに頑張りたいと思います」

 昨季まではジャンプにばかり気を取られていたが、今季はオフからスケーティングの向上を目指して基本練習を徹底してこなし、演技が安定して演技構成点で高得点を出してきた。ベース固めができたことで、シーズン後半戦ではいよいよステップを上げてくる可能性は高い。

「プログラム全体において、緊張感の中で滑るとどうしても小さいスケーティングになってしまう。ただ、以前に比べたらスケーティングスキルも評価してもらえるようになってきて練習でも徐々に手ごたえは感じています。でも、今回終わった後に、信夫先生からは、『まだまだ勢いとスピードが足りない』と言われました。だから、練習から勢いが出せるようにしていきたいですし、もっと自分が攻撃的な気持ちを持って最初から滑れるようにしたいと思います」

 12月初旬には、「永遠のライバル」と言えるキム・ヨナがソチ五輪出場を目指して本格復帰を果たし、復帰戦でいきなり今季最高得点を出した。浅田のやる気に火がつかない訳がない。五輪で金メダルを獲得するためには、さらなる向上が必要になることは誰よりも浅田自身が分かっている。

一方、静かな闘志を秘めて初優勝を狙った鈴木だったが、フリーは不安を抱えていたジャンプの失敗が響いて5位と振るわなかった。ソチ五輪を目指すかどうか決めないまま臨んだプレシーズンの今季は、その気持ちの揺れが前半戦にそのまま出てしまったのかもしれない。調子の波が激しかったという。

 SPでは今季目指していたジャンプ構成から難度を落とした3回転トーループ+3回転トーループの連続ジャンプが入らず、フリーでは3回転フリップが1回転になり、2つのジャンプで回転不足を取られた。

「今回は表彰台に上がらなくて逆に良かったかな。この悔しい思いを力に変えていきたい。練習で自信をつけるまでできなかったことがそのまま試合に出てしまった。今季は昨季と違って最初からなかなか上手くいかず、良くなかったことで戸惑いがずっとあった。今までの練習を見ると、調整不足と言われても仕方がない。でも、自分はまだまだやれると思うので、練習から積み重ねてこの経験を生かしたい」

 世界代表決定後の記者会見に臨んだ鈴木は、ソチ五輪を目指して来季まで現役を続けることを初めて明言した。これでシーズン後半戦は、大きな目標に向かって気持ちを高めていけそうだ。
「ファイナルのエキシビションが終わった後、来季もスケートを続けてソチ五輪を目指すことを決めた。(世界選手権では)自分で五輪出場枠を取り、自分が五輪に行けるように頑張りたい」と決意を新たに宣言した。 

 また、今季前半戦は結果を残せなかった村上は、その悔しい思いをこの全日本にぶつけてきた。SPはその気負いが空回りして連続ジャンプで失敗して5位と出遅れたが、気持ちを切り替えて臨んだフリーではわずかなミスに留めて挽回して2位。表彰台に立ち、世界代表切符を手にして喜びを爆発させた。

「SPの結果が悪くて表彰台に乗れるか分からなかったので嬉しい。全体的にすごく頑張れた試合で、本当に久しぶりに得点を見て喜ぶことができた。自分の力を出せて代表になれてよかった。昨季の世界選手権では悔しい思いをしたので、今回はそうならないように、世界代表に選ばれた責任をしっかり果たして悔いのない演技をしたい」

 そして今回の全日本で最も注目を集めたのは、若手の有望株、14歳宮原知子だった。昨季、全日本シニアデビューしていきなりの総合6位。難度の高いジャンプを跳ぶなど技術力がある。今年の全日本でもほぼノーミス演技を披露してSP、フリーともに3位に入って総合3位で表彰台に上った。技術点ではSP、フリーともに浅田や村上ら先輩勢を抑えてトップの得点をマークした。

「3位になって嬉しいです。コーチからも『おめでとう』と言われました。フリーでは初めて120点台(120.36点)を取れた。SPはノーミスででき、フリーでも3+3回転を跳べたことが満足です。今後はすべての技でうまいと思われるスケーターになりたいです」

 まだ表現面ではジュニアの域を脱していないが、恥ずかしがり屋の宮原が今後、どのように成長を遂げていくのか、新たな楽しみが出てきた。

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(左から)全日本選手権2位の村上佳菜子、優勝した浅田真央、3位に入った宮原知子


バンクーバー五輪以降、浅田選手はジャンプの修正など、しなくても良い苦労を沢山してきた気がします。

頑張った分のスケーティングスキルなど、向上した部分も多かったので、それはそれで良かった事だとは思いますが、反面、何もしなく休んでいた選手が、ぽんと試合に復帰して、あの得点をいただけてしまう、不公平さ、本当にフィギュアの採点は腐っています。

変な採点で、浅田選手の上げ足をとり、その修正に手間取って憔悴する姿が楽しくて仕方がない輩がいるようですからね……。

3Aと3-3を取り戻したい、真央ちゃんの気持ち、本当によくわかります。

取り戻してほしいと、ファンはみんなそう思っていると思います。

只、真央ちゃんの負担が大きい事も分かっていますので、身体を大切にしながら、もう一度、挑戦してほしいと思います。

浅田選手にばかり厳しい採点は、本当にもうやめていただきたいですよね。


↓真央ちゃん、お正月は、ゆっくりしてください。(^∇^)


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