浅田真央…母に捧げた見事な優勝 | フィギュアスケート研究本

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やっぱり真央ちゃんがいないと…母に捧げた見事な優勝

2011/12/28 7:00日本経済新聞 電子版

「(ママも)喜んでいると思います」。25日まで行われたフィギュアスケートの全日本選手権で、浅田真央(中京大)が2年ぶり5度目の優勝を飾った。試合前、上の空のような姿を見るのは初めてだったが、終わって「とにかくホッとした。優勝で1年を締めくくれて良かった」と浅田。母・匡子(きょうこ)さんを亡くした悲しみを乗り越え、母に捧(ささ)げた素晴らしい優勝だった。

■ケガや病気以外で欠場を許さなかった匡子さん…

「真央ちゃんのいないフィギュア界って何か変。僕自身、彼女を見れて幸せ」。

 男子で優勝した高橋大輔(関大大学院)が大会前に話していたが多くのファンも同意見だったのではないか

 全日本を欠場するのでは? という話も出たが、個人的には出場するだろうと思っていた。浅田は類いまれなる意志の強さを持っているし、匡子さんもいったん出ると決めた試合をケガや病気以外で欠場するのを許さなかった。

 2009年の四大陸選手権のこと。
 浅田が珍しく出場を渋り、タチアナ・タラソワコーチ(当時)すら「ここまで嫌がるなら出ない方がいい」と欠場に傾きかけたが、匡子さんが浅田を説得して出場させている。

 苦境に陥るほど、すごみが増して持てる力を発揮するのが浅田だ。
コーチなしで臨んだ08年の世界選手権、そしてバンクーバー五輪出場には
優勝しかない状態だった09年の全日本選手権、さらに10年の同五輪もそうだった。
しかし、今回の大会ではそんなすごみはなかった。

■「今までとは違う緊張感があった」

 苦境に陥るほど、すごみが増して持てる力を発揮するのが浅田だ。コーチなしで臨んだ08年の世界選手権、そしてバンクーバー五輪出場には優勝しかない状態だった09年の全日本選手権、さらに10年の同五輪もそうだった。しかし、今回の大会ではそんなすごみはなかった。

「今までとは違う緊張感があった。(説明できないけれど)なんだか今までと気持ちが違った」と浅田。ショックで演技は大丈夫か? そんな周囲の声に対し、「みんなに心配させてはいけない」という気持ちがあったのだろう。
「いろんなプレッシャーがあって、それがいつもと違った」と振り返る

 練習再開後はルーティンを崩さないようにしたという。佐藤信夫コーチとの間でもママ(匡子さん)の話はせず、練習量も変えず、佐藤コーチによると「健気(けなげ)で、見たところ普段と変わらない表情」で振る舞っていたそうだ。

「とにかく『いつも通り』と思っていた。

試合まで時間が少なかったので、余計なことを考える時間もなかったのは良かった」
と浅田本人も語っていた。

■演技前、どこかフワフワした感じ

しかし、演技はウソをつかない。ショートプログラム(SP)の演技前、名前をコールされると、どこかフワフワした感じだった。大きなミスはなかったものの、キレがない。「練習ではもっとできていた。ただ、予測がつかない状況で……」と佐藤コーチは話す。

 大会前に丸4日も氷に乗らなかったことも含め、本人もコーチも、演技でどういう影響が出るのか全く予測がつかなかったらしい。結局、24日のSPは65.40点で村上佳菜子(中京大中京高)に次いで2位。体調面の影響はそれほどなかったけれど、気持ちと体がどこかかみ合わない――。そんな状態だったようだ。

■スケーティングがきれいに

 25日のフリーでも3回転ジャンプのうちの2つが2回転になり、回転不足も2つあった。
 しかし、フリーではいい面もあった。ジャンプ姿勢に入る時のフォームが美しく、特に冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)は飛距離があった。

 男子の高橋や小塚崇彦(トヨタ自動車)もそうだが、スケーティングがきれいな選手は演技を見ていて心地いい。とりわけ浅田はいるだけで華があり、スタイルもいいのでよけいにそう感じる。

「あれだけの実績を残している選手が、よくあんな単調な練習も嫌がらずにやってくれる」(佐藤久美子コーチ)。佐藤コーチについて約1年3カ月、修正してきたスケーティングが、ようやく定着してきた。
「信夫先生と一緒に積み重ねてきたから」と浅田も話す。


 佐藤コーチの言葉に対し、浅田は素直だ。練習再開後、焦るあまり猛練習しようとするのを、同コーチに止められて従っている。

 フリー当日朝の練習で急にトリプルアクセル(3回転半)を跳び始めたが、「完璧にクリーンではないから減点対象になる。今回は我慢すべきですよ」という言葉も、最終的には受け入れた。

■改めて感じた母・匡子さんの存在の大きさ

バンクーバー五輪まではコーチが常駐せず、スケートに不安があると、匡子さんに支えてもらっていた。昨季までは自分のカンを信じるところもあったが、今は佐藤コーチにすっかり委ねている。負けず嫌いの顔をのぞかせたのは試合が終わってから。
 ジャンプの失敗を「悔しい、悔しいって、猛烈に悔やんでいた」と同コーチは話した。

 一方で、浅田にとっての母親の存在の大きさも改めて感じた大会でもあった。
 「試合が終わるまで母親に関する質問はNG」というお達しがあった。

 試合後も、浅田自身が「ママ」「お母さん」という言葉を意図的に避けていた。
「(ママも)喜んでいると思います」「(ママが)一番近くにいる感じがした。
(優勝を)報告しなくても分かっていると思います」。主語はなく、母についての質問の受け答えはいずれも声がうわずり、震えていた。

■「名物ママ」が多いフィギュア界

 母親の存在が大きいのは浅田だけではない。世界選手権の日本代表選手では高橋と鈴木明子(邦和スポーツランド)以外、ほとんどの親がほぼ全試合観戦しに来ている。

 日本選手以外でも世界王者のパトリック・チャン(カナダ)、ブライアン・ジュベール(フランス)、金妍児(キム・ヨナ、韓国)……、フィギュア界には「名物ママ」が
多い。

「リンクは子ども1人で行ける場所にない。フィギュアは保護者の力がないとできないから、ずっと一緒でもあまり違和感はない」と日本のある選手は話している

■ミスが多かった上位選手

昨季世界女王の安藤美姫(トヨタ自動車)が休養している今季。五輪中間年で、焦点がぼやけているシーズンのためか、残念ながら今大会は上位選手の演技があまりぱっとしなかった。

 2位の鈴木明子も、3位の村上佳菜子もミスを連発。フリーでノーミスの壮快な演技を見せたのは、「失うものは何もない」ジュニア選手ばかりだった。

■4位となった今井に注目

そうしたなかで、18歳の今井遥(日本橋女学館)が4位となって、2度目の四大陸選手権代表に選ばれた。

 今井はトップレベルとしてはかなり遅い小学校3年でフィギュアを始めた選手で、08年の全日本ジュニアで優勝した。昨季、本格的にシニアデビューしたが、昨年の全日本12位に沈んでいた。

 今夏から単身渡米、佐藤有香さんのところに拠点を移して伸びてきている。始めた年齢が遅いのでまだまだ場慣れしておらず、村上らの陰に隠れているが、今後注目していると面白いかもしれない。

(原真子)

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浅田選手はジャンプを2Aに下げても、GOEは、まだ余りいただけていないようです。

全日本での、2AのGOEはSPとFSとも0.80点です。

改造を始めたばかりですが、なんだか悲しいです。

2Aの基礎点が3.3点なので、4.1点です。。

3Aの基礎点が8.5点なので、もしアンダーローテになると70%ですから、6.0点です。少しマイナスがついても、4.1点よりは高くなるでしょうか。

ダウングレード扱いになった場合は、2Aよりも低くなってしまいますが、肉体的負担を考えると、すっぽ抜ける場合もありますから、2Aの方が確実なのは確かですよね。

3Aを失敗したときのペナルティが大きいのですから、本来、成功させた場合は、それだけでボーナス点をいただきたいところです。

それがずっと、採点での不公正感だと思います。

真央ちゃんのジャンプにもっとGOEを上げてください。ほんとに、もう~。ヾ(。`Д´。)ノ

不利の中、そして今回の訃報の中、浅田選手の頑張りには、脱帽です。(ノω・、)

お正月は、ゆっくりしてほしいと思います。



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