この3か月を振り返ってみる | Sean's Life in "The Republic of California" 元IT商社マンのカリフォルニアライフ

この3か月を振り返ってみる

サンフランシスコのこのアパートメントに引っ越してきたのが7月11日でしたから、だいたい3か月ぐらいが経過しました。

先週、日本へ一週間ほど出張して、こちらに戻ってから、まだ時差ボケが少し残っているようです。そんなに時差ボケが残る方でもないのですが、今週一週間は夜中に目が覚めて眠れなかったり、朝アラームに気づかなかったり、生活リズムが乱れています。

いつもならこの時間(もうすぐ24時)はもう爆睡中という感じなのですが、今日はまだ起きています。なので、たまには少し長めにブログを書いてみようかと思いました。

仕事のこと

まず仕事ですが、楽しくやっています。どんなことをしているのか、きっとイメージがわかないでしょうから、ちょっと具体的にできるだけ簡単に説明してみたいと思います。

会社はソフトウェアを作っています。シドニーに本社があり、私が勤務しているサンフランシスコオフィスはマーケティング拠点になっています。130か国以上に顧客がいるグローバル企業で、創立してからまだ7年程度の若い企業です。二人のCEOはまだ30歳ぐらいで、業界ではちょっとした有名人です。社員は200名ほどで、現在、約4億円を投資して32名の優秀なデベロッパーの採用活動を行っています。とても社員を大事にする会社です。

私のミッションは明確で、日本での売上を増やすことです。現在、国別の売上ではトップ10もはるか遠い順位にあり、会社の中での重要度が低いのが日本市場ですが、それを1~2年で、重要な市場へと変える必要があります。

入社してから、まず社内の人を覚えることが必要でした。誰が何をしているのか。もちろん、ケンとかジョナサンとか外人の名前なので覚えにくいのですが、幸い社内の情報共有、情報公開がすすんでいる会社なので、ウェブで調べれば社内のだいたいのことが分かります。

プライベートなこともわりと普通に話す企業文化なので、みんな自分のブログや写真などをパーソナルスペースに貼り付けています。最初のころ驚いた記憶があるのは、ある男性社員のブログがゲイのブログだったことです。さすがサンフランシスコ、ですね。それを隠す文化でもないし、ゲイの人はなんとなく優しいし、仕事にはまったく問題がないので、私にも問題はありません。

後日談になりますが、ゲイは一人ではありませんでした。レズビアン、バイセクシャルも含め、オフィスに5人ぐらいいます。私は全然きづかなかったのですが、あるとき教えてもらい、言われると、ああ分かるなーという感じです。ショーンはゲイダー(ゲイ+レイダー:ゲイを見分ける能力)が弱いなぁと言われました。ま、弱くて結構ですけれど。

ゲイであろうがなんであろうが、仕事の能力にはまったく関係はないのです。趣味、趣向がまったくもって自由なのがここサンフランシスコです。私のボスは14年住んでいますが、サンフランシスコの一番良いところはとにかくリベラルなところだ、とのこと。いろんな人がいる。

話がだいぶそれましたが、社内の人を徐々に覚えながら、仕事をすすめていきました。英語なので、何一つやるのにも時間がかかり、当初はだいぶストレスがたまりました。自分で作った、やることリストをまったく消化できないからです。それでもまあ、なんとか日々の仕事をやりつつ、全社の戦略を理解し、日本市場向けの戦略を立て、必要なことをひとつひとつやっていきます。

何ができたか

世界的に見ると製品は売れていて、名前もそれなりにとおっているけれど、日本での知名度はとても低く、知る人ぞ知る製品というのが今のポジショニングです。裏を返すと、ベースはしっかりしているのです。製品は良いですし、世界での実績もあるし、右肩上がりに成長しているので勢いもあるし、無借金経営なので財務状況もいい。これまで社内に日本人がいなかったから、日本の代理店に任せきりにしていてちょっとまずいことになっていたというのが状況です。

ツイッターやブログなどのソーシャルメディアを活用して、インターネット上に「日本語で」会社の名前や製品名を売りだしはじめました。ソーシャルメディアマーケティングについては、ある媒体で記事を一本書かせて頂きました。

日本で初開催となるユーザー会(うちの製品のユーザーさん同士で、どうしたらもっと上手く活用できるかなどの情報交換をする会)を先週、実施することができました。30名超に参加いただき、第2回への道筋もでき、日本でのコミュニティ基盤ができつつあることを実感しています。

先週、新製品のプレスリリースを実施しました。日本でも話題性の高い OpenSocial という規格に対応したという見所もあり、40媒体程度にニュースとして掲載されました。

SEO(検索エンジン最適化)としてはまだまだですが、ウェブサイトの改善もだいぶ行いました。おかげで、.html も何となくいじれるようになってきました。アクセス解析なども自分でやっています。

日本のパートナーさん(代理店さん)とのコミュニケーションも重要です。英語が得意ではないパートナーさんも多いので、通訳としての働きも期待されます。重要な資料は翻訳して、説明します。

全体的に、作業としては、翻訳がなかなか多いです。英文もウェブに掲載されているケースが多いので、いい加減な訳はできない(日本人はみな英語が読めますからね)ので、自分で読むのに比べてうんと時間がかかります。

先週の日本出張は、もったいない根性がしみついていますので、予定を全部アポで埋めましたので、プライベートで楽しめる時間がほとんどありませんでした。なので、連絡できなかった友達、ごめんなさい!

仕事の範囲は広い

ということで、仕事の内容はマーケティング系が多いのですが、もちろん日本担当は基本的に一人なので、当分はなんでも自分でやる、できる必要があります。それも楽しいです。時間配分は難しいですが。

業界は若干変わりつつも、これまで営業・マーケティング畑でしたので、技術的なことには疎いのが事実です。これまで、ソフトウェア開発の現場とは縁がありませんでしたから。アジャイル開発なんて、正直に言って、意味も分かっていませんでした。

というわけで、すこしでもソフトウェアデベロッパーの気持ちがわかるようになればいいかなと思い、先月からJavaの入門コースに通っています。英語という外国語だけでもかなりきついのに、プログラミング言語というさらにわからない言語のダブルパンチで、だいぶめまいがしています。明後日、中間試験なので、神に祈ってます。

プライベート

仕事のこと、から書き始めたので、後半プライベートのことを書こうと思っていたのですが、どうやら眠くなってきたのでさくっと書きます。

平日は6時すぎ頃に起きて、シャワーを浴びたらそのまま車で会社にいきます。会社までは15~20分ぐらいです。会社で朝ご飯を食べながら仕事を開始します。だいたい一番に着くのでコーヒーをセットします。シリアルにイチゴかバナナをのせて食べるか、ベーグル(Thomasというブランドがモチモチしていてうまい)にホイップのクリームチーズをのせて食べます。

日本の方は結構おそくまで起きていらっしゃいます(日本23時=SF7時)から、ツイッターやメールのやりとりを行ったりします。あ、これ仕事の話ですね。

最近は昼ころに会社近くのジムへ行って少し走るようにしています。昼ご飯はだいたいオフィスでサンドイッチを作って食べます。ランチの会話にはなかなかついていけないので、最近はデスクで仕事しながら食べることも多いです。その方が気が楽だったり。いや、積極的に会話に加わらないといけないのですけれどね。

夕方、5時ぐらいになるとみんな帰ってしまうので、私もその頃に帰れるように頑張ってます。出張前は準備で忙しかったので、帰ってから家でもだいたい仕事をしていましたが、もう少し落ち着いたら、プライベートなことをしたいと思っています。

週末は、何かパーティなどに誘われれば基本的に断らないようにしています。明らかに浮く感じはあっても、顔を出していかないと、誘われなくなりますから。日本人以外のコミュニティに溶け込むのが目標です。

映画を見にいくことも多いです。よくわからないながらも、確実に勉強にはなるし、それなりに楽しめるので時間があいたら行くようにしています。映画館のある中心部まで歩いて20分ぐらいですので、運動にもなります。

食事は冷凍食品か、冷凍讃岐うどんか、ソバが多いです。

天気がよく、空は青く、緑も多く、海も見え、いろんなレストランがあって、洋服屋などのお店もたくさんあり、文字通りいろんな人がいて、だいぶ楽しいサンフランシスコの生活です。

こうなりたいな、こういう環境で働きたいなと潜在的に思っていたことが実現している感じなので、どうにも不思議です。次はどうなるんだろう?自分の会社を経営したり、世界のもっといろんなところへ旅行したり、なんてことが潜在意識にあるのだろうか。

サンフランシスコで働く唯一のダウンサイドとも言えるのが、結婚が難しいかもということでしょうか。相手うんぬんはともかくとして、自分について、この先、住むところが定まらない(いつまで米国にいるのか、いられるのか、よく分からない)というのは、とても落ち着かないことです。ま、これは縁ですから。なるようになるでしょう。

それではまた。