創業1933年以来、フィルム現像を1時間仕上げでやらせて頂いておりました。
ここ20年位、年中無休の営業時間も9時〜20時まで。
19時までにフィルムをお持ちいただければ20時までにはネガが仕上がっていました。
一時期は夜中まで現像機やプリンターが動いていたこともあったようです。
私たちのような写真プリントをする業種をDPEと言います。
フィルム全盛期、写真屋はほとんどがDPEの売上が大きかったと思います。
デジタルカメラの登場や携帯電話のカメラの進化により
DPE店の売上げが縮小し、西荻窪駅だけでも4、5店舗あったDPE店が無くなっていきました。
当店も例外ではなく、このままでは続けていくのが非常に厳しい状況に立たされています。
DPE店の中でも、フィルム現像を自家処理(店舗内で現像ができる)できるお店と
現像所出し(現像所に送って現像してもらう)のお店があります。
当店は昨年の4月までは白黒フィルムやAPSフィルムなどを除いた35mmフィルム(C-41表記のもの)は自家処理でした。
昨年の4月初めにコロナで緊急事態宣言により1か月以上お店を閉めることになり、
長い間お店を閉めてまたお客さんが来てくれるのだろうかと不安ばかりでしたが
頑張るしかないと話していた矢先に現像機が故障してしまいました。
数万円で修理出来るならと思っていましたが
もう部品がなく、修理はできないため新しい現像機を購入する以外ないと。
自家処理ができないとなると現像所だしとなります。
現像代と送料のコスト増を考えると現像機を買った方が良いのではないか。
自家処理の方がお客様にも早くネガを納品できます。
しかし現像機は大変高額。。。購入後、何年後に元がとれるようになるのか、、、。
コロナも収束せず、今新しい現像機を購入するのは現実的ではないとの判断に至りました。
ちょうど良いタイミングで現像の時に使っていた道具を使っていただけるお店さまが見つかり、
道具一式をお譲りすることにしました。
私は現像する一連の流れが好きでした。
フィルムのベロを出しカットし、伝票とフィルムに番号シールを貼る。
テープで下地にフィルムを貼り付け、現像機に流す。
ブローニーの時は暗幕の中でフィルムを巻き直し、専用とカートリッジにセットして現像機に流す。
現像機が「ウィィィィーーーン」と動き出し、「ガッッタンッ」とパトローネからフィルムを切り離す音がする。
処理液の量が足りないと現像機がピーピー鳴り出すので4〜6Lの水と錠剤の薬を入れる。
「ガタンガタン」とフィルムが出てくる。
「カチカチカチ」と下地が上がっていくリズムの良い音。
モニターにはフィルムが今ある位置が表示されており、
これ作った人すごいなぁと思ったりしてました。
今までありがとう。
新しい所でどうか役に立ってくれ、、、!!