ベースのメルヴィンから電話が入ったのが一昨日の夜。
「ココへのお別れをバンドだけでやろう。明日の夕方には準備ができているそうだ」

昨日の夕方にココの自宅近くのフュネラル・ホームに出向く。
ところが、遺体の化粧やきれいに整える作業が遅れていて、まだ見せられる状態ではないとの事で、ココには会えなかった
そこで、家に行ってクッキーやリーと少し話す。その間にも電話がひっきりなしにかかって来て、二人とも対応に追われて大変だ。
「クイーンらしく、盛大に送り出してあげたいと思っているの。ゴールドとクリーム色を基調にしたママのドレスは素敵よ。同じ色でコーディネイトしたマイクスタンドも用意したわ」
と、少しやつれてしまったクッキーが気丈に言う。
土葬が主流のアメリカでは、遺体をスーツやドレスできれいに着飾って、送り出す習慣があるんだね。
一緒に時代を築いて来たバディ・ガイは、昨日家に来てとても落ち込んでいたそうだ。

最後までココに会えなかったのは、ココの粋な計らいだったのかもしれない。
「死んだ私ではなく、生きている時の私を覚えておいてね、my Shun。私が死んだ事はもう気にしないで、スペインでしっかりプレーしてきてちょうだい」
こんな声が聞こえてくる。この数年は、”my Shun”と孫に語るような感じで、ココは呼んでくれていた。

いよいよ今日、これからスペインに旅立つ。
後ろ髪をひかれる思いはとてもあるけれど、頑張ってプレーしてこようと思う。

菊田俊介オフィシャルブログ「菊田俊介ブルース日記」Powered by Ameba-True Value(ココの家へ向かう途中で、こんなサインを掲げた店があった。町中がココの死を悲しんでいる)