囲碁と将棋と台湾と
囲碁や将棋という盤上のゲームは実際の戦場を模したものだ。よって、盤上で起こることは実際の戦場でも起こり得るものだと解釈することができる。個人的には囲碁はより戦略に長け、将棋はより戦術に長けているゲームだと思う。どうしてかというと、囲碁では石の置き方がそのまま勢力を示すのでより戦略的、将棋は駒を幾つ重ねて攻防に配置するかが戦局に大きく影響してくるのでより戦術的であると思われるからである。ともに知らない人には申し訳ないが。そこで不敬にも、いまの中国と日本の台湾をめぐる対立というものを聞きかじった初歩の地政学的とともに囲碁の視点から見てみるとする。すると、白石は台湾に二つ。尖閣諸島に一つ。沖縄に三つ。といったところだろうか。韓国やフィリピン、サイパンにも白石が置かれているのだけれど遠くて、すぐに大きな影響というものはないだろう。ここで仮に、中国は台湾を手に入れるためにどこに黒石を置いたのかという仮定の視点でこれを見てみる。すると、南シナ海に人工島をつくっていくつかの黒石を置いた。ということが分かる。黒石がたくさん置かれている中国大陸の勢力を海上に広げることと白石フィリピンやアメリカ軍の直接的な介入という南方からの強い影響を減らすのが目的であろう。それでは、中国の手番にこれからどういう方法が考えられるか?いくつか考えられるのだが、一番弱い石を攻めるのが囲碁では当たり前の戦略なので、まず尖閣諸島ということが考えられる。例えば、尖閣諸島に中国民間人が勝手に中国国旗を立てるということが想定できる。もちろん日本政府はすぐ中国政府に強く抗議するだろう。けれど、民間人が勝手にやっていることだからと、中国政府ははじめ日本政府の抗議を軽くいなすだろう。次に海上保安庁が出張るが、武装していない民間人をすぐに武力で排除できない。日本が軍事力を持つ自衛隊をどうするか内閣や国会などでもめているその隙に中国は台湾に侵攻する―。もちろん、これは空想のお話。かつてのトワイライトゾーンみたいな。台湾有事。これが発生した場合の台湾、中国、日本の人的被害と経済的損失、また未来の喪失の規模が計り知れない。そうしないだけの知恵を多くの人が持っているし、また決してそんなものを発生させてはならないのだから。ただ、囲碁や将棋には手番というものがあって、相手が一手打ったら今度はこちらが一手打つという交互に差すルールがあるのだけれど、実際の戦略や戦術ではリアルタイムでこちらが1手打つ間に相手は2手3手打てるのだということと、またその逆もあるのだということは知っておいて損はないと思うのである。つづく。かも。