1968年にリリースされた一枚のレコード。
Big Brother & The Holding Company "Cheap Thrills”
当時、まだ小学生だったオレはこのレコードには出会っていない。

 


 

 小学四、五年生の頃に、近所の自転車屋に修理で行ったのね、そしたら店にいたお姉ちゃんがオレに音楽は好きかって聞くから、あまりよくわからないって答えたんだよね。自転車のお姉ちゃんは「あたしが聴くのはブルースだけよ」って言って、オレにブルースギターを”唐突”に教えてくれたのを今でも覚えている。何でだったんだろ(笑)

 

 これが相当変ったお姉ちゃんで当時かなり荒れていた工業高校に入学したらしく、その時の担任教師と結婚、学校はどうにか卒業して、親の家業の自転車屋を継ぐ。で・・・、その担任の教師も学校を追い出され自転車屋に転がり込んできて、とにかく中途半端に若い元教師と、女子高校生上がりのお姉ちゃんのふたりで自転車屋をやっていたんだよね(今もご健在w)


 お姉ちゃんはオレに、E7とA7とB7をマスターしろ!と、そりゃあ厳しくしごかれました。でも楽しくてね、ほとんど毎日のように学校が終わると自転車屋に行って、ギターを教えてもらってたな、部活みたいなもんだね(笑)。そのうち詩とかも書き始めて、デタラメな歌を作ってはお姉ちゃんと元教師と即興ライブのはじまりだ!(もちろん自転車屋の中で)お姉ちゃんは厳しかったけど丸くてコロコロした笑い声と、いつも無口にずーーーっと自転車修理をしている元教師。そして、自転車オイルの匂いと、オンボロのフォークギターが一本。な〜んか忘れらんないなぁ。

 

 あれ、なんの話だっけ?ああジャニスね!そうそう、元教師が小学生のオレに”Cheap Thrills”のアルバムを見せてくれたんだよね。子供の頃は本気で漫画家になりたいって思っていたから、音楽よりそのアルバムジャケットのイラストに目が釘付けになっちゃてね(笑)線のタッチ、配色、吹き出し、なんだか触れちゃいけないようなサイケな画風に、完全に引きづり込まれちゃいました。とにかく小学生には刺激的な日々でしたよ。それから4年後、高校生になったオレはノート2冊に書き留めた曲と詩を持ってバンドをはじめました。怒濤のバンド生活がはじまった・・。もちろんジャニスのように唄いたくてね。


『Cheap Thrills』のアルバムジャケットは漫画家ロバート・クラムが描きました。

 

 

ロバート・クラム フリッツ・ザ・キャット

 

 さて、まだまだこの話は続くんだけど9日のライブには『なんでそこからバンドへと行ったのか?』『漫画家志望はどうしたんだ?』『学校はどうしてたんだ?』『ブルースはどこに行ったの?』みたいな事をグダグダと話すかもしれません。オレにとっての原点回帰『Cheap Thrills』のアルバムを持参しますのでお楽しみに〜

と、いうことで4月9日の日曜日には元町アースリーパラダイスでみんなで最高のバカになりましょう!来てね(さんきゅっ)

 

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