Tadanori Yokoo & Akihiro Miwa

Tadanori Yokoo & Akihiro Miwa  Photo : Kishin Shinoyama 1968

 

 あなたの生きがいは何ですか?と突然訊ねられても即答できないのでは?

オレまったく思いつかなかったよ。色んな事が頭の中を巡っちゃって、取りあえず何か優先順位を付けなくちゃいけないのかなとも思えた。そんな時にある番組での美輪明宏さんの言葉に胸をつかれました。


人間は何で出来ているかというと
肉体と精神でしょ
肉体を維持するために栄養とか食料とかを過剰なほど摂っていますでしょ
じゃあもう一方の人間を形成している精神を維持するための食料は何だろう?
それは文化なんですね
学問 文学 音楽 美術 スポーツと多岐に別れていますけど
それを持っていると それが栄養剤になるんですね
それが切れると精神が弱ってきて栄養失調になる
ワタシはそれをたっぷり持っていましたからね
だから舞台に立てるんです

 

それが生き甲斐ですよね

 


私の本体を知るには
お芝居と歌ですのでね

 

 


 

余談:あの有名な曲「ヨイトマケの唄」は、肉体労働者に対する差別用語が含まれているとされ、長年放送禁止歌に指定されていましたが、歌の背景にあるものは差別などではなく、むしろ支配階級に向けてのアンチテーゼではなかったのでしょうか。
 

貧しい臭いような垢だらけの服を脱ぐと

マイヨールの彫刻のような素晴らしい肉体が出てくる
ラクダの素晴らしいコートを着た人が裸になると

情けない気の毒になるようなぞうきんを絞ったような身体をしていて

 

「えっ 着るものって何?嘘じゃないか」

 

着るものとか容姿 容貌 年齢 性別 国籍
持っているもの肩書き一切を見ないことにして
目の前の本人の魂が純粋か純粋でないか
それだけが問題なのです