入院中の大学病院は
面会時間は長いが
夜間は基本付き添えないシステムになっている。
点滴して、経過観察している
こんな時にこそ
一人ぼっちにさせたくない。
頑張っている峻の手を、一晩中握っていてあげたいのに
側にいる事も出来ない、
そんな決まりだ。
心拍数40台のわが子を置いて帰れるはずがなく。。
今回は、夫が家族室に一晩待機させてもらえた。
様子を聞く事は出来る。
この時、すでに23時。
翌日は上の子の運動会で
私は、お兄ちゃんを迎えに行って帰らなきゃいけなかった。
「今年は活躍したいんだよぉ」
と、代表さんに立候補したり、
応援団をやったり、頑張っている。
お兄ちゃんの事も、大切にしなきゃいけない。
「大丈夫だよ、大丈夫だよ」
って峻の顔を撫でて
自分にもそぅ言い聞かせて
部屋を出た。
「皆でちゃんと看てますから。」
と、看護師さんが声を掛けてくれた。
............
何年か前、じいじが
子供達だけ映画に連れて行ってくれた事があって。
私が「峻とバイバイした後、寂しくて泣きながら帰ったよぉ~」
ってふざけて大袈裟に言うと
「ママ泣きながら帰ったのー??
ギャハハハー、泣きながら帰ったんだってーギャハハー!」
ってバカにした様な、喜んだ様な顔で
峻が何度も笑ってた。
寂しかったよと言われて
会いたかったよと言われて
嬉しかったんだと思う。
ギャハハーと笑う
その顔がまたヤンチャで
可愛かった。
ママは、今日はほんとに泣きながら帰りそぅだよ…。
............
夜中に
「心拍低下のアラームが聞こえなくなったよ」
と夫から。
50台に戻ってきた様子。
まだ50台ではあるけれど…
良かった。
峻は、また一人で頑張ってくれた。