約半年前ですが、幸運にもシカゴフルマラソンの抽選に通ったので、人生初のフルマラソンにチャレンジしました。

 

もともと中距離のマラソンは比較的得意で、弟も途中歩きつつ4時間15分とのことだったので、7月時点では「あと3か月あるし、夏休み期間中にしっかり身体づくりすれば、いきなり4時間切れちゃうのでは!?」と思っていたのですが、まあ人生って想定通りいかないものですね。

旅行やら友人との外出やらで全然練習できず、気付けば9月時点でまだ総走行距離80km。

結局、本番までの総走行距離120km、1回での最長走行も25km(42km完走できずダウン)と、もはや完走すら怪しい状態で本番に突入してしまいました。今思うと完全になめくさってます。。

 

 

10月上旬、当日は天候には恵まれたものの、シカゴの10月の朝5時はたぶん5度以下で、風がもの凄く強いので、とても寒い。

 

 

スタートする頃には日も登り、ちょうど良い気温に。

ダウンタウンのビル街を眺めながら走れるのはとても気持ちが良いです。

沿道には途切れることなく応援の人たちがいて、ランナーを励ましてくれます。

これまでの人生で、あんなに沢山の人に応援してもらったのは初めてだったので、ふわふわした幸せな気持ちになりました。

 

 

面白かったのが、紙にキノコやスターの絵と「これにタッチしたらパワーアップ!」と書いて掲げている人がいたこと。しかも結構たくさん。笑

任天堂はマラソンの応援方法にまで影響を与えています。

 

 

(↑レース中に写真撮れなかったのでイメージ図。以下から拝借させていただきました。可愛い。

“Marathon Mushroom Power Up”

https://www.youtube.com/watch?v=um9H4rW5CiA

 

半分の21km地点までは全くつらい思いをせず、ただただ気持ちよく走っていたのですが、魔の25km地点から「あれ?」と思い始め、28km辺りから地獄が始まりました

このペースなら無限に走れると思っていた6分40秒/kmペースでも息が上がってしまうし、何より足が意味わからんくらい重い。

30km地点で一度歩いてしまい、そのあとも走っては歩いて走っては歩いてを繰り返し、35km時点ではとうとう座り込むことに。

「いやもうこれ完走するのきつすぎる」と思ったのですが、開始10km時点くらいまでずっと一緒に走ってて、そのあと追い抜いたお兄さん(別に知り合いでも何でもない)が、ゆっくりとしたペースで、しかし着実に走りながら僕を追い抜いていくのが見えました。

 

そのとき脳裏によぎったのがカイジの鉄骨渡りのシーンの作者ナレーションとカイジたちのやり取り。

(読んだことない人は飛ばしてください。)

 

いつだって人は…その心は…この橋を行くカイジらのように孤立している心は理解されない…伝わらない…誰にも伝わらない…

 

(中略)

 

人間不信の元…理解とは程遠い通信だが、しかし…打とう…!あるから…!確かに伝わることが…ひとつ…!!温度…存在…!生きているものの息遣い…その…儚い点滅は伝わる・・・!

 

佐原「カ・・・カイジ・・・ 在(い)るか!?在るか!?そこに・・・」

カイジ「在る・・・!在るぞっ佐原っ・・・!在る・・・!在る・・・!」

・・・オレは・・・佐原を救えない・・・佐原もオレを救えない・・・絶望的に離れ離れだ・・・!なのに・・・なんだ・・・?この温もりは・・・!胸から湧いてくる・・・この温かさ・・・感謝の気持ちは・・・

佐原が・・・佐原がただ・・・そこに在るだけで・・・救われる・・・!奴が目の前にいないその寒々しさを考えたら・・・今・・・見えるその存在はまさに救い・・・!希望そのもの・・・!

 

そうか・・・そういうことか・・・!分かれてなかったんだ・・・希望は・・・夢は・・・

人間とは別の何か・・・他のところにあるような気がしてたけど・・・そうじゃない・・・!

人間が・・・人間がつまり・・・希望そのものだったんだ・・・!

 

別にリタイアしても何もペナルティはないのですが、完走だけは何とか成し遂げたかった私の気分はまさにこれ。

あの兄ちゃんがまだ走っているから…頑張ろう…っ!

 

その後も座り込んではゆるゆる走ってを繰り返して、4時間45分で完走。

最終5km地点では同級生も応援してくれて、とてもありがたかったです。

何故かゴール地点ではスポンサーのGOOSE ISLANDの新作ビールが振舞われていて、全然飲めないのに思わずごくり。

悪魔的だ…っ!

 

 

なお、フルマラソン後は2週間ほど高熱・疲労感に悩まされ、左足小指も疲労骨折を疑うほどの激痛で、家で療養生活を送りました。

たぶんもうフルマラソンは走りません()

全てのランナーに敬意を表します。