もう2月は半ばで、明けましてうんたらと言っている場合ではないのですが、明けましておめでとうございます。

 

 

しばらく更新していなかったので、何事もなかったかのように昨年の春学期(2022年3月~6月)の振り返りから。

 

 

昨年の春学期は以下の3つの授業を履修しました。

  • Data Programing for Public Policy I - R Programing
  • Management Matters Leadership, Strategy, and Getting Things Done
  • Program Evaluation

最初の2学期は、ミクロ経済、統計、政治学(+ゲーム理論)の3つの必修で埋まっていたので、この学期からようやく自由に科目選択ができるようになりました。

 

 

先々、機械学習の授業を取りたいと思っていたので、コーディングの基礎を叩き直すべく一つ目のRの授業を履修しました。(なお、機械学習にはPythonの方が適しているのですが、Rしか学んだことがなかったので、そのままRの授業を選択。目的意識がはっきりしていないと無駄な寄り道をしてしまうダメな典型例ですね。)

データの前処理で必要そうな基本コーディングを総おさらいするので、簡単そうかと思いきや、毎週の課題の量がとても多く、毎週末10時間はこの課題に使っていたので、かなり負荷の高い授業でした。

ただ、ハードワークのおかげか、データの集計やちょっとしたグラフ作成でもExcelよりRstudioを使いたいと思うようになったのは成果。やっぱりリスキリング(少なくともデータ分析系)には3か月の集中的な勉強期間が必要と感じます。

 

 

二つ目のManagement Mattersは、MBAでも教えている陽気な先生が担当。

組織マネジメントやリーダーシップを学べるかと思いきや、学部時代に授業で取った「ハーバード流交渉術」とかなり似た内容で、ZOPAやBATNA、アンカリングなど交渉における基本概念を学びつつ、実際に交渉のケースをやってみるという授業内容でした。

興味深かったのは、ダム建設をしたい建設会社側と場所を提供する国側の2者交渉のケースで、お互いが想定するZOPA(Zone Of Possible Agreement:合意可能領域)が全然違っていて、もっとお互いにWin-Winにできたのに…!といったジレンマをリアルに体験できました。

 

それと、有名な話ではありますが授業で紹介されていた逸話を一つ。

1912年、セオドア・ルーズベルト陣営が選挙で勝つために300万枚もの顔写真入りのチラシを印刷したところ、陣営の一人が「しまった、カメラマンの許可をとってないぞ!このままだと、カメラマンが著作権料を最大300万ドル請求できてしまう!」と気付きました。かといって印刷費も莫大なので、チラシを捨てるわけにはいかない。普通ならここで、いくら著作権料を安く済ませるか交渉するとことですが、当時の交渉担当者は、

 

「300万枚ものルーズベルトの写真チラシを作るにあたり、あなたの写真を採用しようか検討しています。もし採用されたら、全国的にあなたの名を売るチャンスですが、掲載するために、あなたはいくらまでなら払えますか?急ぎお返事お待ちしております。」

 

と先手を打って連絡。慌てたカメラマンは「250ドルなら払えます」と連絡をしたため、損失を0に済ませることができた、というお話です。

ゼロサムゲームだと思っていた交渉であっても、クリエイティブにvalue creatingすることの大事さを示す好事例です。

 

 

三つ目のProgram Evaluationは、冬学期に学んだRCT(ランダム化比較試験)やDID(差の差分析)などの分析手法の理論や実践方法をより深く学つつ、リサーチペーパーを読み込んで批評したり、実際にコーディングもしながら使ってみるという授業でした。

数学や統計などリサーチデザインの理論面は正直消化しきれなかったのですが、ハリスでも一押しの授業だけあって、実践面でも学びもあり、かなり満足度が高かったです。

宿題で出たテーマとしては、例えば、「地下水の使用料(cost)を変えた際、地下水の使用量(amount)がどれくらい変わるか」

これについて、本来RCTで分析したいが、種々の制約の中でRCTが無理な場合、どの分析方法が適しているかを検討するなど。

 

 

中間試験も終わって少し余裕が出てきたので、次回以降も棚卸しを続けます。