女優の冨士真奈美さんが作家・藤沢周平の作品『又蔵の火』を評して表現している言葉。


確かに、初期の作品の多くは、暗い。


作品的に明るく振る舞っていても、作家の心の奥底には暗さがつきまっとっている感じ。


ところが、後期の『用心棒日月抄』あたりから作風が変わってきます。


ユーモアがあり、全編に明るい雰囲気が感じ取れます。


『三屋清左衛門残日録』も暗い部分はあるけれど、主人公清左衛門の飄々とした横顔がユーモアを持ち、暗い情念というのは見事に吹っ切れてます。


『たそがれ清兵衛』はどこかに欠点とか弱みを持った武士が突如として暗殺者に変わる風変わりな作品だけども、剣術にかけては誰よりも強いところを見せるのがミソ。


人間的に何となく弱い者が、強くなる。そして、強敵をやっつけるという設定は、読者を惹きつけてやまないのかなと。


映画評論家・佐藤忠男が『義民が駆ける』を取り上げて、日本の民衆運動と関連づけて評しているのには、うなりました。


近刊『わたしの藤沢周平』を読んでー。