最近、手紙を書く習慣がなくなったようですが、私はときどき手紙を書く機会があります。
ほとんどが、取材の申し込みですが…。
ごく簡単な用件だけを書くだけですが、それがいいみたい。
電話ではなく…。
往復書簡の文学といえば、宮本輝の『錦繍』が有名ですが、今回、免疫学者の多田富雄&遺伝学者の柳澤桂子の往復書簡『露の身ながら』を読みました。
2人とも重病の身(多田氏は脳梗塞で半身不随、柳澤さんは原因不明の難病)です。
しかし、力をふりしぼってパソコンでやりとりしている姿が素晴らしいです。
この書簡を読んでいると、声を出すとか、歩くとか、食べる、筆を執る、体を動かすーーといった人間としての基本的なことが出来ない2人の痛烈なもどかしを感じます。
科学、生命、家族、戦争、病、老いについて率直な意見を述べる2人の思索が感動を呼びますね。