今日帰って来たら玄関で妹が泣いていた。

雨なのに傘もささずに帰ってきたのか。ずぶぬれだった。

不謹慎にも、俺はこのときずぶ濡れの妹に劣情を抱いていたかもしれない。

「どうしたんだ?」

俺が肩に手を置くとビクリとする。

振り向いた顔は涙でクチャグチャだった。

「お兄ちゃん!」

妹は俺の胸に飛び込むや否や、泣き始めた。こんな妹は、久しぶりだ。

俺はそんなに出来た兄じゃない。

だけど、この妹の涙を止めてやることくらいは出来ないだろうか?



「ドラミ・・・」