SELF LINER NOTES -10 PIECES OF SOUL | カザシュンTV【風間瞬・肺腺がんⅣ闘病中】

SELF LINER NOTES -10 PIECES OF SOUL

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#01 CASANOVA COMPLEX

 

もともとはCattlemanくんが自ら歌ってた『本音とタテマエ』という元歌があって、その歌詞を一新したうえでカバーした曲。グランジ寄りのちょっとヘヴィなアプローチ。「恋なんて 所詮 幻想 脳内麻薬の悪戯」という冒頭のフレーズは、我ながらかなり気に入ってます。まっとうじゃない、ちょっと捻くれた視点からのラブソング。ちなみにタイトルは、学生時代に読んだ『カサノヴァ・コンプレックス~浮気心の研究~』(ピーター・トラクテンバーグ著) という本から引用してます。内容もリンクしているので、興味ある方は調べてみて~   [音源] [歌詞]

 

 

#02 ANTITHESIS

 

自分の“モットー”みたいなもののひとつとして、「アンチテーゼの精神」っていうのがあって。ニュアンスとしては、100人中99人が「いい」と言っていても、自分が「そうじゃない」と思ってたら簡単には迎合しない―っていう意味合いで使ってるんだけど、そんなメッセージを歌に込めたいなと思って作った曲。ゴリゴリっと太めのカッコいいロック・チューンに仕上がったと思います。ただ、いま改めて聴くとボーカルラインの音域が俺には若干低めで、勢いが出きってない気も。ライブで歌う機会あったら、キー上げたほうがイイかもな。  [音源] [歌詞]

 

 

#03 PIECE OF SOUL

 

氷室京介のライブ引退宣言を受け、ヒムロックへの想いを綴りながら、その言葉を最終的には自分自身へ向けていく描き方で組み立てた曲。歌詞中に「ひび割れた」 「IDEA」 「嘘のパズル」など、氷室作品に散見されるワードを確信犯的に散りばめてるんだけど、安易に言葉遊びしたつもりはないし、自分なり言葉に魂を吹き込みながらリリックへ組み入れていきました。だから絶対的にパロディではなく、「オマージュ」であると胸を張って言いたい。アレンジしてくれた田口さんの手業によって、壮大でドラマチックな曲に化けてます。  [音源] [歌詞]

 

 

#04 OH BABY

 

いわゆる「企画もの」的な感覚で作ったナンバー。曲自体は3連系の古き良きR&R…ビートルズの『Oh Darlin』なんかを下敷きにしつつ、歌詞は昭和のポップスター沢田研二の世界。『勝手にしやがれ』 『時の過ぎ行くままに』 『憎みきれないろくでなし』など彼のヒット曲のタイトルやフレーズなどをコラージュして遊んで書いてます。そういった意味では作詞の半分は“阿久悠”といっても過言ではない的な(笑)。まぁそんなノリ重視の曲なんですが、ヴォーカルのカンジはすごくハマってて、いい声出てるんじゃないかと自負してたり。  [音源] [歌詞]

 

 

#05 RISE IN THE SUN

 

この曲はヴォーカリストに徹する―ということで、作曲のCattlemanくんが作詞も担当(一応“補作”として部分的に言葉をチェンジさせたりはしましたが)。不思議なもので、自分で書いたリリックよりも何故かノビノビと歌えるという。いい意味で言葉との距離感が微妙にあるため、フレーズを“音”として捉えられるからかなぁ。よくわかんないけど。曲のほうは、デモ段階ではUKグラムロック風だったんですが、最終的にはアメリカンロック寄りに大変身して着地。アドリブでつけ足したコーラスワークがイイカンジで効いてるんじゃないかと思います。  [音源] [歌詞]

 

 

#06 NAKED ROSE

 

ぶっちゃけ「濡れ場」のことしか書いてないっていう曲(笑)。なんかこういうメッセージ性とかそういうのは全然ないんだけど、単純に“エロくてカッコイイ”みたいなヤツもほしくて。メロディ的には80年代歌謡曲っぽい音の運びなんですが、そこにダンサブルなビートを掛け合わせてまとめてます。風間瞬にはやっぱこの手の世界観がお似合いさっ―みたいな。メロディやリズムと言葉の発語感の溶け込み具合でいうと、一連のナンバーのなかで一番しっくりきてるような気がします。歌いやすくて、カラオケ向き(※ちなみにJOY SOUNDに入ってま~すw)  [音源] [歌詞]

 

 

#07 DOOR OF DREAM

 

結構ワルツ調の曲って好きなんです。バンド(69ERS)時代も『天使と悪魔のカフェテリア』という三拍子のヤツ演ってたんですが、そんな流れをくむナンバー。全体のなかではちょい異質で、昔のLPレコードでいうところの「B面の二曲目」(マニアックな捨て曲のように見えて、実は隠れ名曲が多かったりしがち)っぽいテイストに感じたので、10曲中7曲目のこの位置に配しました。自分的には、ギミックに溢れるファンタジックな歌詞世界がかなり気に入っていて、NHK『みんなのうた』あたりに採用されないかなぁ~と密かに願っていたり(笑)。  [音源] [歌詞]

 

 

#08 FIRST SNOW

 

Cattlemanくんが「歴代カザシュンSONGの中で最高峰の歌詞」と評してくれている曲で、俺自身も現時点での作詞スキルの全てを注ぎ込めた感あり。メタファー(暗喩)をどれだけ美しく駆使できるか?というのが作詞時のテーマだったりするので、ある程度それを実現できてるように思います。楽曲は“和”の音階を組み込んだ、わりと難解な構造。デモ段階からサビのメロディが大きく変わったりもして、歌入れ苦労した記憶が。当時所属してた東北新社の若手デザイナー達にジャケットデザインを作ってもらったのもいい思い出です。  [音源] [歌詞]

 

 

#09 TOMORROW'S ANOTHER DAY

 

俺の場合、基本的に「曲先」で制作するタイプなんですが、この中で唯一「詞先」で作った楽曲です。当時働いていた会社をスピン・アウトし、窮地に立たされていた時、リアルな心情をノートに殴り書いていて。それにCattlemanくんが後からメロディをつけてくれたっていう。だからやっぱ言葉が強いなぁと。極々パーソナルな気持ちを歌ってるんだけど、結果的にそういうもののほうが普遍性を持つのかもね。多くの人に「感動した」「勇気をもらった」などの言葉をかけてもらい、自分自身もこの曲を通じて人間として成長できた気がしています。  [音源] [歌詞]

 

 

#10 WITH YOU

 

「愛している」とか「I LOVE YOU」とかいう言葉を一切使わずに、それでいて“最愛”の気持ちを表現している歌を書きたいと思って詞作に取り組んだナンバー。デモテープ段階ではわりとシンプルなR&Rだったんだけど、田口さんのアレンジでキラッキラなPOP要素が盛り盛りになっていって。「90年代のトレンディドラマの主題歌イケんじゃない?」みたいなw ―そんな楽曲の良さにも背中を押され、自分の中では「究極のラブ・ソング」をつくることができたと感じています。Cattlemanくんの結婚式でも披露。大切な人のことを想いながら聴いてほしい一曲です。  [音源] [歌詞]

 

 

 

《SOUND SOURCE》