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今年の2020年は、
現在の自分の年齢に、生まれた西暦を足すと、必ず2020の数字が出来上がるのだそうです。
ぼくでいうと、1990年生まれの30歳

1990+30=2020

なるほど
すべての人にとって
決して忘れてはならない、
忘れられない年なのですね

そんな2020年が終わります。



個人的な感覚で言うと、
"やっと"終わります。



今年は僕にとって、とても苦しい1年でした。年始まりで味わう、念願叶った出演舞台の中止。溢れ出る悔しさ、悲しさ、辛さ、寂しさ。それを発散させたり打ち消す暇もなく緊急事態宣言を受けて、家に籠る事を余儀なくされ、見えない敵から味わう、単純な敗北、って感じでした。

立て続けに訪れる、
割りきれない別れ。
どんどん畳み掛けてくる、感染予防対策の制限と制約。

僕の中で、失ったものが多く、
そして大きかった。
そのどれもが再生産出来ず、
どんなに願っても帰ってくることが出来ず、普段から気を付けていましたが、"当たり前"がこんなに奇跡に満ちていた事であり、貴重な事だったのか、と失い過ぎ去った時間が改めて気付かせてくれました。



奪われたもの、失ったものを取り返すことも元に戻すことも出来ないのであれば、やることは1つしかない。
今あるものをより大切にして、過去をしっかり抱いて今と未来をしっかり生きること。


夏に舞台に立てることが決まった時、それを強く決意しました。
30歳になり、心を新たに、初心を忘れず、大胆かつ丁寧に繊細に、大人らしく、表現者らしく、子供らしく。いろんなことをノートに書き記し、ページの真ん中には、大切に、の文字。2020年が、突き付けてきたように思います。



今年が終わりそうな今、博多におります。
今年の上旬に立つはずだった、博多座公演が、目の前に迫っています。
憂国のモリアーティやローマの休日の稽古中、初めましての先輩方や同年代の俳優陣、以前共演した仲間たちやかけがえのない同期たちと時間を過ごす中で、毎日マスク越しに顔を付き合わせて、神経を使い、気を遣いながら思っていたことは、本当に幸せだ、ということ。

失ったものもある、忘れられない想いもある、後ろを向いて立ち止まりたい瞬間は絶えずやってくる。
でも、前を向けば目標があり、隣を見れば仲間たちの微笑みと温もりがあり、充実した時間を共に過ごして同じ目標にひた走り続けられるエネルギーをくれる。
その事実が、本当に救いでした。

今はただ、感謝がずっと胸に押し寄せてきます。どんなに辛いことが身に降り注いでも、それを乗り越えるエネルギーは必ず、誰かといることで沸き起こり、誰かにちゃんと恩返しをしたいと思う。
誰かが隣にいる、一緒に前を向いていける。今の環境が、何よりも幸せです。


コロナの猛威は、決して侮れず、
もう良いでしょ、とか
まあ大丈夫でしょ、
と根拠のないポジティブシンキングが出来ない程の数字が毎日報道され、正直本当に恐ろしく思います。
でも、絶対に負けません。
このまま全員で協力して、支えあって新年を迎えて、大千穐楽を迎えたいと思います。

今年はもう中止を味わいましたから、もう十分です。負けません、絶対に、今年はずっと手が荒れっぱなし。ハンドクリームともはや親友です。
来年もこのままお世話になります。



失ったチャンスと、新たなチャンス。
出会いと別れ。
失意と希望が詰まった、2020年。

自分の芸能活動のスタート地点である、
銀河劇場に帰ってこれたこと。
いろんな想いが詰まった、
帝国劇場に帰ってこれたこと。
初めての御園座に立てたこと。
今年の始めに立つはずだった博多座に、
来年元旦から立てること。

回り回って、誰かといたから、みんなと協力していたから出来た、想いの回収作業が、こんなにも尊く奇跡的な事なんだと、文字におこすと改めて思います。

いっぱい泣いて、
いっぱい笑って、
いっぱい動いて、
いっぱい歌って、
いっぱい演じて、
いっぱい作って、
いっぱい食べて、
いっぱい撮った。

辛い、悲しい、苦しい、寂しい、
嬉しい、楽しい、温かい、

全部
幸せでした



そして最後になってしまいましたが、
変わらず応援してくれた、すべての皆様に心からの感謝を。
ツイッター、インスタに、いいねやリツイートやコメントを送ってくださり、その言葉や行為がどれほど僕が救われ、支えられ、助けられたかわかりません。
以前より応援して頂いていた方も、公演を通して新たに認知して頂いた方も、語彙力がないのでこの言葉しか送れないのが何よりも心苦しいですが、

心から、ありがとうございました。

来年もまた、こんな僕ではありますが、どうか皆様の心に何かギフトを届けられるように、精一杯精進して参ります。


残り少ない今年が、
そして新しい年が、
皆様にとって少しでも温かく輝かしい日々で溢れますように、心から祈っております。


今年の思い出の写真で締め括りたいと思います。

改めまして、
ありがとうございました
よいお年を




上條 駿