近況など

旅行も一段落し、日常に戻りました(・ω・)/

一昨日、六本木の森アーツビルで開催されている
「大英博物館エジプト展」を観に行きました!
会社の子から誘われていったのですが、「死者の書」という37mにも及ぶ巨大パピルスが目玉になっていてめったに見られるもんじゃないって事でお供する事に

巨大パピルスには感動しました!
死後もまた幸せな暮らしが出来るよう、数々の試練を乗り越えていく方法をまとめてあるものでした。それを、古代エジプト人の司祭や高官にいる女性達は各々所持していて、自分だけのパピルスがあるんですね~。
一つの物語ですよね。挿絵も独特です。最後は、エンドロールのように挿絵と文字との配置が絶妙でした。
大英博物館に行ってもお目にかかれるかどうか分からないものらしいので、一度足を運ばれてみる事をオススメします




さてさて、書作展の出品締め切りまで1ヶ月弱となりました

杜甫の「兵車行」を2×6で4枚にまとめる予定だったのですが、
またしても変更です

今回、杜甫から白楽天(白居易)の詩に変えました



「中隠」
大隠住朝市 大隠は町の真ん中に住み
小隠入丘樊 小隠は山の中に住むもの
丘樊太冷落 しかし山の中は寂しすぎるし
朝市太囂諠 町の中はうるさすぎる
不如作中隠 中隠となって
隠在留司官 分司東郡という名ばかりの官にいるのがよい
似出復似處 出仕のようでもあり隠棲のようでもある
非忙亦非閑 忙しくもないし閑でもない
不労心輿力 心も体も労することはなく
又免飢輿寒 衣食にも不自由はない
終歳無公事 一年中、役所の仕事は無いのに
随月有俸銭 毎月俸給はいただける
君若好登臨 君がもし山登りが好きなら
城南有秋山 町の南には秋の山がある
君若愛遊蕩 君がもし行楽が好きなら
城東有春園 町の東には春の公園がある
君若欲一酔 君がもし一杯飲みたくなったら
時出赴賓筵 時折宴席に顔を出したら良い
洛中多君子 洛中には君子がいくらでもいて
可以恣観言 存分に談笑できる
君若欲高臥 君がもし人を避けて寝そべっていたければ
但自深
掩関 自分でしっかり門を閉ざせばよい
亦無車馬客 馬車に乗った客人が
造次到門前 やたら門口にやってくることもない
人生處一世 人間は一生の間に
其道難両全 二つのことを共に全うするのは難しい
賎即苦凍餒 貧賎の身には飢え寒さの苦労が伴うし
貴則多憂患 貴顕の身には心労がつきまとう
唯此中隠士 ただこの中隠の人だけが
到身吉且安 幸多く安らかな生を実現できる
窮通
輿豊約 卑賤と栄達、富裕と貧困
正在四者間 まさしくこの四つの中間に位置するのだから




「官にありながら私的生活も享受する」
というとても理想的な生活を、白楽天は実践しているようでもあります。
ですが、現実はどうだったかというと、この詩のように順風満帆なはずは無く・・・
「現実が幸福に満たされていたのではなく、現実の中から幸福をすくいとったのである」と、あります。

何もかもが「政治」の中で、官となって仕えるか、世俗との関わりをたって隠棲するか。当時の知識人の中ではこの両者の考えが主流だったようです。
ですが、白楽天はそのどちらでもなく、中間にいるのが良いと。
実際地方の官職というのは、中央から離れているので特に仕事というモノも無く、詩を作ったり観光地を巡ったりと色々融通がきいたようです。
しかしそういう生活も長続きしないのが、中国の歴史というもの。
地方官でいた白楽天も何かと中央に戻されて、煩わしい思いをしたようです。


この詩を2×8か3×6の2枚組で完成させようと思います。
(2×8=60㎝×240㎝
 3×6=90㎝×180㎝)

書体は行書で連綿を少なめに。

楷書・行書・草書の中から、初心者はまず行書から入るのが良いそうです。
楷書というのは、実に形をとりにくいものです。
草書はくずし方が大変難しいです。一歩間違うと読めません。

ですが、行書は楷書を少し続けて書く様に、流れる様に書くと行書らしくなります。一応ちゃんとした書き順・くずし順もありますので、そちらは辞書を見ながら。

楷書の字がイマイチでも、行書の字を見ると、上手そうに見えてしまうものです。なので、本当の実力は楷書を見れば分かるとも言われています。

ですが、大きな画仙紙に多数の字をまとめるとなると、いくら初心者向きの行書といっても話が全く違ってきます。

作品にするには、それ相応のまとめ方がありますので、書き込んで良いものを作れるよう頑張りたいと思います。




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