南信の秘境・遠山郷(長野県飯田市)は今もって「陸の孤島」と呼ばれる過疎地域です。
実際村内を縦貫する国道152号は遠山郷を挟んだ両面で途絶され(二箇所が未だ未開通)、遠距離の迂回路を経由するか、舗装されているとはいえ山間の林道を通らなければ辿りつくことは叶いません。
公共交通では僅かに飯田線平岡駅からのバス便があるのみ。
ただそれだからこそ、現在まで美しい環境や昔ながらの風俗がそのまま守り伝えられて来たとも言えるでしょう。
10数年前の再訪時も、土地の風情は30年前とほとんど変わらぬ様子だったのには感激しました。
しかし現在建設中の三遠南信自動車道路が全通すれば(現在一部開通で開通時期未定)そのアプローチも格段に便利になり、観光客がどっと訪れて様変わりしてしまう可能性もあります。

そんな遠山郷の木材輸送のために敷設されたのが遠山森林鉄道です。
遠山線(1級路線)19.6km他二支線系36.5kmの路線を有しました。
1944年運行開始、トラック輸送への代替で早くも1968年には廃線となりましたが、民間需要があり本州製紙下請けの信和林業により1973年まで輸送は続きました。
訪問は1973年の運行廃止寸前、既に木材輸送はその役目を終えて全廃に向けての残務整理中でした。
信和林業の職員さんが良くしてくれて、モーターカーに便乗させていただくなど便宜を図っていただきました。

その後旧木島小学校の木造校舎に資料館が開設、DLと客車が同小学校々内に保存。
10数年前の再訪時には大変懐かしくそれらを見学しました。
2016年には「梨元ていしゃば」に全長350mの周回コースが完成し初の周回運転を実施、念願だった復元がなされました。

 

酒井製DLと貯木場

 

酒井製DL

 

酒井製DLと運材車

 

酒井製DLと貯木場

 

酒井製DL

 

鉄橋を渡るモーターカー

 

モーターカー

 

遠山川沿いの車庫

 

お世話になった信和林業の職員さん

 

お世話になった信和林業の職員さん

 

モーターカーに乗って

 

登山者も軌道を利用

 

現在も残る遠山川第2号橋梁

 

 

木島の遠山川第一橋梁

 

現在の保存車両

 

森林鉄道案内板