訪問日:2021-07-12,13

 

 

磐梯朝日国立公園吾妻小富士の東麓標高920mに位置する微温湯(ぬるゆ)温泉「旅館二階堂」は、東北の湯治場の風情を色濃く残す秘湯宿です。
東北道福島西ICより40分と比較的アプローチはよさげですが、宿までの8キロはクルマ一台分がやっとの林道を通らねばなりません。
それでも2019年に舗装されてずいぶんと走りやすくなりましたが、以前は途中で戻りたくなるくらいの悪路でした。

(国道115号から市道佐原線を使うとゆったりした迂回道路があり、宿の近くまで出られるので運転に自信のない方はそちらを)


以前は携帯もまったくつながらず(現在はAU、ソフトバンクはOK)、もちろんWi-Fi環境もなし。
豪雪地帯につき、営業は4月下旬より11月下旬のみとなります。「日本秘湯を守る会」会員。

 

微温湯への道

 

やっと宿にたどり着くと、温泉猫のゴマ作がお出迎えに。

 

今回のレンタカー
トヨタカムリィ
猫がお出迎え

 

温泉猫のゴマ作

 

湯治場としての歴史は享和三年(1803)から、建物は戊辰戦争で焼かれ、その後明治5年から大正・昭和に渡って建造されたもので、今も茅葺屋根が残ります。2017年、国有形登録文化財指定。

 

登録有形文化財指定となった微温湯温泉旅館二階堂

 

玄関

 

茅葺屋根が残る

 

帳場

 

猫好きの宿

 

朽ちかけた茅葺

 

本館二階から

 

本館二階から

 

部屋へ

 

部屋は昔の湯治場らしい造りで、廊下が窓側で部屋は障子で仕切られた六畳一間、鍵はなし。
宿全体ももちろんですが部屋もかなりの鄙び系で、デザイナーズやシティーホテルに慣れたお嬢様やマダムにはハードルが高いかもw

 

宿泊した部屋21号

 

宿泊した部屋21号

 

茅葺の宿泊棟

 

額アジサイが

 

庭の木製ベンチ

 

自炊室

 

窓から湯小屋への通路を望む

 

風呂は長い渡り廊下を通って湯小屋へ。
 

湯小屋への通路

 

旧式電話機と湯小屋への通路

 

湯小屋への通路

 

浴槽は源泉槽と加熱層があり、木造りの大きな源泉槽にはドバドバと源泉が注がれ流れるようにオーヴァーフローしています。
泉温は31.8度と低いものの、湧出量が半端でないため夏季であれば冷たさは感じません。
通常一時間から二時間ゆっくりと入浴して、最後に加温槽で温まって上がるのが流儀。

泉質は酸性-含鉄-アルミニウム-硫酸塩温泉31.8度、湧出量194L、pH2.9、自然湧出、眼病に特効ありとか。
湯使いは完全な原泉かけ流し、終日入用可能。加温槽は水を加熱したものです。

 

湯小屋
手前が源泉槽(31.8度)
奥が加熱槽

 


源泉槽(31.8度)
 

緑が眩しい
湯量が豊富で洗い場まであふれる

 

源泉ドバドバ状態

 

もの凄いオーヴァーフロー

 

湯小屋天井

 

温泉分析表

 

館内

 

館内
日本人形怖い

 

館内

 

夕食は食堂でいただく湯治食。
それでも岩魚田楽や茶碗蒸し、鴨の陶板焼きなど旅館らしいメニューもあって酒菜には事欠きません。
 

夕食膳
岩魚田楽・おでん・茶碗蒸しなど

 

野菜天婦羅(別注)

 

鴨陶板焼き
会津「栄川」

 

食事

 

夜は一層鄙びた雰囲気が増します。聞こえるのは虫の鳴き声と羽音、猫の鳴き声くらい。
特に今夜は他に宿泊客がいなかったため、ちょっと怖いくらい。
それでも頑張って夜中一時間づつ二回入浴しました。
 

 

 

 

宿の入口にある桜並木

 

林道途中の観音堂

 

以前は夏場にはかなりの立ち寄り入浴客があったのですが、今はパラパラ。
さほど遠くない米沢の五色温泉も廃業してしまい、昔からの風情ある湯治場がなくなっていく中、いつまでも頑張ってほしいものです。

微温湯温泉「旅館二階堂」公式HP
温泉日記索引