別所「くろつぼ」(蕎麦)

青木村「大宝寺」

共同浴場「小倉乃湯」(立ちより湯)

 

訪問日:2021-05-31,06-01

 

長野県丸子温泉郷・沓掛(くつかけ)温泉は上田周辺に点在する鄙びた温泉地の一つです。
田沢温泉近く、夫神岳の西麓にはかつて三軒の宿がありましたがいずれも廃業。
うち「かなふや(叶屋)」は湯治専門宿として、「かどや旅館」は「日帰り温泉ふるさと」として復活、また「おもとや」は以前に奥山田温泉で営業していた「満山荘」が移転開業しました。
共同浴場は「小倉乃湯」(おぐらのゆ)が存在します。

 

 

今夜の宿は「秘湯を守る会」所属の「満山荘」です。
東京オリンピックの年(1964年)から50年余り営業していた奥山田の地を離れ、2017年こちらに移転開業したものです。
宿は以前の内装を生かしながら「満山荘」スタイルにリニューアル、露天風呂も新設されました。
「満山荘」奥山田温泉時代のレポート
 

宿外観

 

玄関からは里山の景色が

 

フロント

 

ロビー

 

ロビー

 

到着時の茶菓

青木村名産の蕎麦「タチアカネ」のクッキー

 

今回は「おもとや」の面影を残す未改装の角部屋を選択しました。
(リニューアル部屋はきれいですが、狭くトイレもない)
踏み込み・10畳に大きめの広縁というよったりとした間取り、大きな窓からは里山ののどかな風景が俯瞰されます。

 

未リニューアル角部屋

 

広縁から

 

部屋からの眺め


風呂は内風呂二箇所、それぞれに移転する以前の大浴場の窓を払った半露天風呂、新設された野天風呂があり、夜10時で男女交代となります。
泉質はアルカリ性単純温泉35度・pH9.2、アルカリ性単純硫黄温泉39.4度、pH9.3。二種の源泉を使い分け、終夜入浴可能。
内湯は加熱循環、露天風呂は掛け流しされています。

 

野天風呂沓掛の湯

 

野天風呂沓掛の湯

 

万葉の湯

 

万葉の湯

 

内風呂

 

湯上りにラウンジで生ビール・ワイン・日本酒のフリーサーヴィスは太っ腹。

 

ラウンジ

 

フリーサーヴィスの生ビール・ワイン・日本酒

 

夕食前にはすぐ近くの共同浴場「小倉乃湯」へ。
こちらも同様の湯使いですが、大量の源泉が掛け流しされる低温浴槽は素晴らしく、いつも夢見心地で居眠りしてしまいます。
今回も約一時間の入浴。
入浴料200円、火曜定休。

 

共同浴場「小倉乃湯」

 

共同浴場「小倉乃湯」

*現在撮影禁止につき、以前写した画像です

 

共同洗い場

 

食事処「風土(ふうど・ダジャレw)」でいただく夕食はなかなか凝った創作郷土料理。
ただし季節の山菜などを除いて、以前の宿から毎回ほとんど同じメニューです。連泊時は変えてもらえるようですが、気になる人はあまり短期間に再訪するのは遠慮した方が無難かもしれません。
しかし内容は長らく吟味研究されたもので、こうしたスタイルの食事としては最良のものの一つといえるでしょう。
地酒も多く取り揃えられています。

 

食事処「風土(ふうど)」

 

食前酒
行者ニンニクレモン酢
信州サーモンのコンフィー
塩麹アロエヤングリーフシーサラダ
地物野菜とピクルスなど
ビーツとパピリカのソース
オニオンバルサミコ酢・醤油ジュレ

 

牛乳豆腐柚子味噌
十六穀米スープ
ドライベジタブル

(昔からの定番料理)

 

酒は上田の「和田龍登水 山田錦 純米 生酒」[和田龍酒造]

 

春の天婦羅
独活の葉・蕗の薹・タラの芽・信州林檎

 

チーズの茶碗蒸し
トマト・葱

(昔からの定番料理)

 

牛ヒレと冬瓜の吸物
独活人参・ディル

(昔からの定番料理)

 

大岩魚と春菊のジェノバ風
長芋・椎茸・ミニキャロット
合鴨ロース・焼味噌・クリームチーズ
紫芋ソース・パプリカパウダー

 

野沢菜茶漬け

(昔からの定番料理)

 

白桃ソルベ
林檎電気ブラン煮
ブルーベリ・マンゴーヨーグルトソース

 

夜の玄関

 

朝の「万葉の湯」

 

朝食は多客時はビュッフェスタイルになりますが、今回は三組だけということで個別に提供されました。内容はビュッフェよりこちらの方が良いかも。

 

朝食膳

 

蕗味噌・南瓜スープ・鮭ホイル焼き

サラダ(ビーツのドレッシング)・独活酢味噌

ハム・ポテサラ・温泉玉子

 

白飯・自家製椎茸の味噌汁

とろろ・煮物・香の物

 

のどかな沓掛のロケーション、落ち着く客室、良質なぬる湯、凝った食事に家族経営の気の置けない接待。
何年かに一度は再訪したくなる魅力的な個性派宿です。

沓掛温泉「満山荘」公式HP

温泉日記索引