訪問日:2021-04-27,28
信州高山温泉郷・七味温泉最後の一軒となった旅館「紅葉館」に宿泊してきました。
最近こちらに隣接する「渓山亭」が閉館、かつては五軒の宿があって隆盛を誇った七味温泉もすっかり寂しくなってしまいました。
宿は架け替えられたばかりの七味橋を渡った松川渓谷沿いに建っています。
松川渓谷沿いの一軒宿
フロント
二階の部屋の窓にはは深山の景色が広がり、川音が響きます。
二階角部屋
部屋からの眺め
風呂は二箇所で男女交代制。
片方は内風呂・真っ黒な「墨湯」・川を望む露天風呂。
「墨湯」は硫化鉄が成分の黒色の湯の花が浮遊する珍しいもので、他には奥塩原の「大出館」のそれしか思い浮かばない希少なお湯です。
もう一方は内風呂・洞窟を通ってやはり川を望む露天風呂へ。
泉質は含石膏食塩硫化水素泉71.4度、pH 6.81、完全かけ流しです。
他、全部で七種の混合泉というのが「七味温泉」命名の由来となっています。
泉温はかなりの高温で、状態によっては加水が必要。これはぬる湯好きの自分にとっては厳しいところ、何とか工夫してほしい。
露天風呂
墨色の湯
内湯
洞窟から露天風呂へ
露天風呂
少し離れた場所に、日帰り専用の露天風呂もあります。
日帰り用露天風呂
日帰り用露天風呂
こちらのもう一つの売り物は、自然の動物たちを餌付けしていること。
特に「アン、ポン、タン」と名付けられた三匹の狸はまるで飼い犬のようになついています。
餌付けされた狸の「アンちゃん」
こちらで何といっても素晴らしいのが、藤井壮(山田温泉の料亭旅館)他で修業された息子さんが作る食事です。
地の食材を使って、美味に美しく仕上げたコースは正しく「雛には稀」な内容です。
食事のためだけに宿泊しても良いくらい、最初から最後まで堪能しました。
前菜:
蕗の薹豆腐
山葵の茎のジュレ
高山村の野菜盛り
造り:信州サーモン・岩魚
地酒と地ワイン
今夜は希少な「幻舞」
蒸物:洋風茶碗蒸し
(トマト・オリーブオイル)
揚物:海老と山菜の春巻き
山菜天婦羅
胡桃味噌
強肴:山菜グラタン
焼物:岩魚蕗味噌田楽
台物:信州牛しゃぶしゃぶ
高山村野菜
(うるい・行者にんにく・ニラ・芹)
食事
デザート:焼きプリン
朝食
朝食膳
七味温泉原泉
七重の滝
七味温泉の一軒宿になってしまった「紅葉館」ですが、名前の通り秋の松川渓谷は長野屈指の紅葉名所として知られています。
加えてこちらの美味しい食事と気の置けない接待で、いつまでも頑張ってほしいと思います。
七味温泉「紅葉館」公式HP
予約は直接電話のみ、旅行会社との提携はありません
温泉日記索引