日向薬師(日向山霊山寺)
訪問日:2019-09-08,09
東丹沢温泉郷・七沢温泉の最古の宿「中屋」に宿泊してきました。
隣接する「元湯 玉川館」と共に、同地最奥に位置する施設です。
これで同温泉の宿6軒はほぼコンプリート(「福松」は入浴のみで未泊)。
創業明治10年の老舗で本館は大正時代のまま。あまりに鄙びすぎで敬遠していましたが、年齢を重ねるとかえってこうした宿が落ち着くようになりました。
本来はその本館に宿泊して大正ロマンを味わいたかったのですが、連れ合いの希望で新館に。まあこちらも結構な鄙び度ですがw
七沢温泉最古の宿
明治10年創業の老舗
熊の剥製がお出迎え
本館は大正時代建築当時の面影がそのままに残ります。
大正時代のロビー
大正時代のロビー
渡り廊下より
新館客室
これもレトロな部屋風呂
部屋からの眺め
本館客室
男女別の露天風呂は中々の風情。池を改装したり狭いスペースに無理やり露天風呂を造ったりの宿が多い七沢では、もっとも魅力ある佇まいでしょう。
山の斜面を利用した岩風呂は深山の趣で、大きな赤い雨傘がアクセントに。日曜ということもあり、昼間は日帰り入浴客が入れ替わり訪れていました。
泉質はアルカリ性単純泉20度、加熱循環放流併用、PH10.1、東丹沢温泉特有の強アルカリを誇りヌルヌル感は抜群です。
露天風呂は7:00~21:00、内風呂は終夜利用可。
女性用露天風呂
源泉と循環泉
台風で柿の実が落ちて
男性用露天風呂
内風呂も女性用は昭和初期のタイル張りで情緒あるものです。
女性用内風呂
男性用内風呂
食事は丹沢名物猪鍋を中心にしたもので、とりたてて言うほどの内容ではありませんが、プランサーヴィスの地ビール「さがみビール」は美味かった。
HPでは鮪の刺身が写っていたので、鹿肉ソテーに変更してもらいました。
夕食膳
プランサーヴィスの地ビール「さがみビール」
前菜
煮物
鮎塩焼き
野菜天麩羅
丹沢鹿肉ソテー
酢の物
丹沢猪鍋
食事とデザート
夜の露天風呂
山の宿での台風は風の音が恐ろしいようでしたが、部屋は新館だったせいか思いのほか静かで熟睡できました。
早朝の露天風呂には、暴風雨のあとのせいかまだ青い柿の実が落ちていました。
露天風呂は別にしてもあまりに施設が古く、若い人や一般観光客にはお勧めしづらいですが、鄙び系がお好きな人には東京・横浜からアプローチが近い落ち着ける宿だと思います。
七沢温泉「中屋」公式HP
チェックアウト後、伊勢原市の日向(ひなた)薬師に参拝してきました。
「日本三薬師」のひとつ(諸説あり)に数えられ、開山は行基により霊亀 2年(716年)、寺号は「日向山霊山寺」ですが、一般には「日向薬師」として知られています。
正式な参道を使うと日向バス停近くの駐車場から600メートル、ほとんどが石段で約15分の登り。深い杉林のなかの三門や苔むした石仏を見ながらの散策コースです。
9月中旬からは群生する曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が開花して多くの人が訪れますが、シーズン直前の、しかも台風一過の直後ということで全く人影はなし。
荘厳な茅葺きの本道は平成22年からの7年間に及ぶ大改修が終わり、ま新たしくなった姿を見ることができました。
*七沢温泉から林道経由で、境内のすぐ裏にある駐車場にクルマを停めて参拝する、という裏技もあります。
(七沢温泉「中屋」了)