訪問日:2019-03-13,14
 
 
洞川(どろかわ)は街中に厳かな宗教的ムードが横溢する門前町です。
修行僧の祖といわれる役小角(えんのおづの)開山という、現在も女人禁制を固持する霊峰大峰山。その修験者と参拝者のための宿、伝統の漢方薬・陀羅尼助(だらにすけ)製造販売店が立ち並び、また至るところに神社仏閣や祠が祀られています。
もちろん観光客もいますが、昨今の京都や鎌倉のように傍若無人な外国人や食べ歩きの若者も皆無。あくまでも落ち着いた山間の静かな門前町の風情を楽しんでいます。
 
洞川の見所はいろいろありますが冬季で道路閉鎖があって少々限られてしまうのは残念。それでも天河大辨財天社、龍泉寺、モノレールで行く面不動鍾乳洞などを尋ねたあと町並みを散策しました。
 
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洞川温泉の町並み1
 
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洞川温泉の町並み2
橋の途中に祠が
 
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洞川温泉の町並み3
漢方薬・陀羅尼助(だらにすけ)製造販売店
 
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洞川温泉の町並み4
 
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洞川温泉の町並み5
 
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不動滝
 
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天河大辨財天社1
 
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天河大辨財天社2
 
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天河大辨財天社3
 
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洞川辨財天社
 
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面不動鍾乳洞モノレール1
 
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面不動鍾乳洞モノレール2
かなりの勾配
 
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モノレール終点から見た洞川温泉街
 
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面不動鍾乳洞入口
 
 
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面不動鍾乳洞1
 
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面不動鍾乳洞2
 
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面不動鍾乳洞3
 
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母公堂
役小角の母を祀った御堂
 
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母公堂女人結界の碑
かつてはここが女人結界門であった
現在は数キロ上方に移動
 
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龍泉寺1
 
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龍泉寺2
「龍の口」と呼ばれる泉から湧き出る清水
 
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龍泉寺3
 
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夕刻の温泉街1
 
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夕刻の温泉街

 

 

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夕刻の温泉街4
 
温泉街の中心にある宿「紀の国屋甚八」は創業300年の老舗です。
この地の温泉宿は修行僧や参拝者を一度に受け入れるために長い廊下兼上がり口を備えていますが、折しもその廊下と広間を使って雛人形の展示会が営まれていました。
 
表から写真を撮っていると「上がってご覧下さい」出来たての甘酒を振舞われ、せっかくなので美しい雛壇と吊るし鄙を鑑賞してからチェックイン。
 
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「紀の国屋甚八」玄関
 
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「紀の国屋甚八」と温泉街

 

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「紀の国屋甚八」看板
 
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提灯の並ぶ上がり口
 
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折しも雛壇の展示会が
 
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雛壇の展示会1
 
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雛壇の展示会2
 
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雛壇の展示会3
 
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雛壇の展示会4
 
部屋は庭と裏山を望む八畳二間と広縁(もしくは廊下)が三畳と四畳。開山期間(5月3日から9月23日)は立て込むのでしょうが、オフシーズンならではの贅沢です。
 
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階段を登って部屋へ
 
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畳廊下三畳と四畳
 
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八畳二間
 
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部屋から中庭を望む
 
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書院
 
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見事な木襖
 
 
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中庭

風呂は半露天風呂と備長炭入り風呂の二箇所。一定時間は男女交替、のちに貸切制になります。半露天風呂は庭と裏山を望むなかなか風情ある造り。
こちらは昔から「ごろごろ水」という名水の湧出地として有名でしたが、温泉としての歴史は比較的新しく1980年から。現在使用している源泉は2007年掘削したもので、泉質は弱アルカリ性単純温泉26-30度、加熱循環。
 
豪快なかけ流し温泉に連日入浴したあとでは物足りなく感じますが、洞川は温泉がなくても一度は訪ねたかった場所、文句はありません。
 
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半露天風呂1
 
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半露天風呂2
 
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半露天風呂3
 
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備長炭入り風呂
 
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館内
 
二階から温泉街を見下ろす
 
夕食は何と雛壇が飾られた広間で。今までにない非日常体験となって大興奮、これは女性はもっと嬉しいでしょう。名水「ごろごろ水」を使った評判の夕食もいうことなし。さすがに参拝者相手に長年営業してきただけあって、豆腐・飛竜頭など精進物の味が際立っています。地味ながら大満足の夕食でした。
 
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夕食は雛壇に囲まれて
 
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夕食膳
 
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名水「ごろごろ水」を使った豆腐と胡麻豆腐
 
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前菜:湯むきトマト出汁浸し・海老烏賊刺身
・合鴨ロース・茹で海老・冬瓜含め煮・イタドリ旨煮・干瓢煮
 
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吉野杉樽酒
 
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鹿肉叩き
 
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鮎塩焼き
 
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飛竜頭煮
最高のお味でした
 
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猪鍋
 
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とろろ蕎麦と御飯、香の物
 
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夜の温泉街
 
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懐かしい豆炭あんか
朝食もやはり雛壇を見ながら。
 
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朝食も雛壇を見ながら
 
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朝食膳
 
 
そしてこちらの宿のもう一つの大きな魅力は、通常料金でチェックイン・アウトそれぞれ12時という24時間ステイというもの。利用の仕方は様々でしょうが、インもアウトも時間を気にせずゆっくりと計画が建てられるのは本当にありがたい。
 
次回は開山時期に参拝を兼ねて泊まってみたい、そんな気持ちにさせてくれる宿でした。
 
 
(洞川温泉「紀の国屋甚八」了)