訪問日:2018/11/7,8
 
 
東鳴子での宿泊はお湯と山荘の露天風呂が評判の「旅館 大沼」へ。「日本秘湯を守る会」所属の人気宿です。ただしロケーションは寂れた温泉街、部屋からの眺望は乏しいし、特別食事が美味しいというわけでもない。ただただ東鳴子の温泉をじっくりと味わいたい人ためのの宿です。
 
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東鳴子温泉「旅館 大沼」
 
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ロビー
 
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鳴子名物こけしが並んだ出窓と中庭
 
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部屋(本館二階)すみれ
 
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部屋の窓から
 
旅館大沼には二本の重曹泉があり、一本は純重曹泉で旅館大沼創業以来の自家源泉。もう1本は東鳴子温泉数軒が使っている含食塩・芒硝重曹泉の共同源泉です。
 
まずは一番の売り物、庭園貸切露天風呂「母里の湯」へ。有料ですが、HPプランでは料金に含まれるものも。宿の裏山にあるのでクルマで送ってもらいます。
黒板塀をくぐるとちょうど見頃の紅葉の中に茶室風の待合室と湯小屋が見え期待が高まります。
湯小屋に入ると山の斜面に寄り添うような石造りの露天風呂が。屋根の向こうには林と池が見えます。
こんなロケーションの中の洒落た露天風呂、しかも優れた温泉に浸る幸せは筆舌に尽くしがたい。一度しか入れないのは残念です。
若主人は送迎を毎日10往復、30年間も続けているというのには感服です。
 
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「母里の湯」待合室
 
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「母里の湯」湯小屋
 
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「母里の湯」露天風呂1
 
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「母里の湯」露天風呂2
 
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「母里の湯」露天風呂3
 
内風呂は全部で七つ。大浴場の混浴「薬師千人風呂」、内庭足湯露天風呂「石割の湯」(以上含食塩・芒硝重曹泉混合泉、以下純重曹泉)、貸切風呂「灯りの湯」、オンドル「ふかし湯」 、女性専用「天女風呂」。
 
新館四階には「陰の湯」(石造り)と「陽の湯」(木造り)があり、空いていればいつでも貸切できます。
四階からはJR陸羽東線の線路が見えるということで時刻表をみてから入浴、列車の写真を撮ることができました。ただし本館二階の部屋から一度一階に降り、また新館四階に昇るのはかなりしんどい。結局一度しかいかずにほとんど「薬師千人風呂」に入っていました。
 
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混浴「薬師千人風呂」1
 
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混浴「薬師千人風呂」2
 
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貸切風呂「灯りの湯」
 
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内庭足湯露天風呂「石割の湯]
 
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オンドル「ふかし湯」
 
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「陰の湯」(石造り)
 
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「陽の湯」(木造り)
 
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「陽の湯」から見たJR陸羽東線の列車
 
夕食は食事処で。
湯治食ではなく一般的な旅館料理です。ただ刺身は新鮮だし前菜も手作り湯葉や栗渋皮煮、蓬麸田楽田楽など手がかかっています。天麩羅は揚げたてを。
特筆するような献立ではありませんが、湯治宿の食事としては水準以上でしょう。
 
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前菜(上から時計回り):
ヤーコン油炒め
手作り生湯葉刺身
豆腐塩糀漬
栗渋皮煮
蓬(よもぎ)麸田楽
 
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天上夢幻・純米吟醸
 
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造り:
鮪・真鯛・甘海老・スルメイカ
 
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蓋物:
 米茄子餡掛け
海老・南瓜・獅子唐
 
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蒸物:
茶碗蒸し
 
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焼物:
銀鱈塩糀焼き
 
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揚物:
天麩羅盛り合わせ
蟹足肉・丸十湯葉巻きなど
 
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台物:
牛肉陶板焼き
野菜いろいろ
 
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酢の物:
海月・菊花
 
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食事:
御飯・味噌汁・香の物
 
朝食はすべて美味しかった。
藻塩でいただく胡桃大豆の納豆や手作り百合根饅頭など、夕食が豪華でも朝食が貧弱な宿が多い中、こちらの献立には感心しました。難をいえばご飯が柔らか過ぎなのと出来合いの北寄サラダは蛇足か。

 

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朝の食事処
 
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朝食膳:
左上は百合根饅頭
納豆は胡桃大豆
 
眺望や食事に主体を置かず、ただただ素晴らしい温泉にゆっくり浸りたい向きにはお勧めの宿です。
 
 
(東鳴子温泉「旅館大沼」了)