天目集落「天目庵」(食事)
 
訪問日:2008-05-17,18
 
 
山梨県塩山の秘湯、嵯峨塩鉱泉をご紹介します。
アプローチは勝沼から笹子トンネル手前を左に折れ、武田氏終焉の地・田野から日川に沿って遡り、蕎麦切り発祥の地を名乗る天目集落を経由。そして大菩薩峠に向かう林道が人家も見えなくなった頃にたどり着く標高1,300メートルの一軒宿です。
 
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こちらは1983年に宿泊したのを最初に今回で10回目の訪問になります。
当初は林道も天目から先は未舗装で周辺施設も皆無、風呂も小さなタイル張りの浴槽があるのみでもちろん露天風呂もなく、本当に鄙びた山の一軒宿でした。
都会からほど近いのにそんな山宿の風情が横溢した雰囲気が気に入って、色々な季節に訪問したものです。
 
その後何度か改装を繰り返し、現在は民芸調の落ち着いた佇まいとオリジナル料理、家庭的なサーヴィスを売り物にする、現代人のための癒しの宿になっています。
 
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宿入り口
 
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宿外観
 
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古くからの看板が
 
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渓谷を望む休憩所
 
内装は中々センスの良い造りで、古い調度品や季節の花々が無理なく溶け込み、好ましい「山の宿」の風情を演出しています。
「信玄公の隠し湯」の一つ(当時は「外傷の下部、内臓病の嵯峨塩」と称されたこともあったとか)ということで、至る所に「武田菱」が飾られています。
 
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熊さんがお出迎え
 
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ロビー
 
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廊下
 
部屋はいつも利用する一番奥の「石楠花の間」。
眼下に日川の渓谷と日の出の滝が俯瞰されます。
 
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石楠花の間1
 
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石楠花の間2
 
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石楠花の間3
 
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日の出の滝
 
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大正時代の写真
 
内風呂は檜作り。
泉質はアルカリ性単純泉19度、PH10.2の高アルカリで浴用加熱。
循環に少量ですが源泉放流。24時間入浴可能は嬉しいところ。
露天風呂からも滝と渓谷が望めます。
 
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風呂1
 
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風呂2
 
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露天風呂1
 
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露天風呂2
 
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露天風呂3
 
夕食は食事処で。
馬刺し・ワイン豚など山梨の特産品と無添加野菜を使ったオリジナルメニューはヘルシーです。
 
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食事処
 
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食前酒(梅酒)・前菜
 
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馬刺し
 
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鴨しゃぶ
 
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春の摘み草鍋(いたどり・こしあぶら・みず等)
 
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蒸し馬鈴薯
 
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あまごの味噌漬けと七賢生酒
 
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口替り(キウイのスープ)
 
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甲州ワイン豚の角煮
 
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山野草天麩羅(山葡萄・つつじ・こごみ・ふきのとう等)
 
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筍ご飯・よもぎ蕎麦・香の物等
 
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デザート
 
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ライトアップされた日の出の滝
 
食後は談話室にて茶菓のサーヴィスがあります。
もうすぐ春とはいえ、標高1,300メートルの高所の夜の冷え込みはまだまだ厳しいもの。
(気温は高度100メートルにつき0.6度低下するので、下界より約8度低温ということになります)
暖炉と囲炉裏の火に温もりながら宿泊客同士談笑し、深山の一軒宿の夜は更けて行きます。
 
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談話室
 
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茶菓のサーヴィス
 
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可愛らしい置物
 
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館内の花1
 
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館内の花2
 
朝食は山菜・甘露煮・味噌田楽など盛り沢山。
ついついご飯が進みます。
 
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朝食膳
 
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1990年代のパンフレット
 
 
宿への上り口にある多野集落は戦国時代の雄、武田氏終焉の地として知られています。
同地には家康が勝頼供養のために建立した「景徳院」、日川(ひかわ)に沿った景勝地「竜門峡」があり、またその上流の天目山棲雲寺は蕎麦切り発祥の地とされています。
(蕎麦切り:現在の麺の形式になった蕎麦で、以前は蕎麦粉を団子状に固めた蕎麦掻きが主流でした。他に長野県木曽発祥説もあり)
 
竜門峡はツツジの開花にはまだ間がありましたが新緑が素晴らしく、日差しは強かったものの川風が心地よい約二時間の散策となりました。
 
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竜門峡入り口
 
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竜門峡1
 
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竜門峡2
 
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竜門峡3
 
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竜門峡4
山つつじ
 
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竜門峡5
 
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竜門峡6
 
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竜門峡7
 
「景徳院」はもう十度以上参拝していますが、天正10年(1582年)建立の三門(山門)はいつ見ても好ましい風情です。
いつも静かな境内には勝頼・信勝(長男)・北条夫人の墓がひっそりと佇んでいます。
 
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景徳院三門
 
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景徳院
 
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勝頼・信勝・北条夫人の墓
 
「天目庵」の盛りは二八で細めの挽きぐるみ。濃い目の汁で蕎麦切り発祥地の名に恥じない味です。
 
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天目庵
 
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店内
 
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もり蕎麦
 
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蕎麦切り発祥の地の碑
 
(塩山「嵯峨塩鉱泉」了)