訪問日:2007-10-28,29
*当館は2011年8月をもって閉館しました。
以下の記事は2007年11月の訪問記事です。
以下の記事は2007年11月の訪問記事です。
扉温泉の老舗宿「群鷹館」は、松本から美ヶ原方面の山間に分け入ったどん詰まりにあります。
同温泉には二軒の宿があり、もう一軒の「明神館」は昔から「秘湯の高級旅館」を売り物にしてかなり知名度は高い旅館です。
同温泉には二軒の宿があり、もう一軒の「明神館」は昔から「秘湯の高級旅館」を売り物にしてかなり知名度は高い旅館です。
それに対して当館は1869年創業という古くからの湯治宿のスタイルで頑張ってきましたが、昨年設計にも携わった一級建築士でもある新たなオーナーを迎えてそのコンセプトを一新しました。
「明神館」は20年ほど前に宿泊しましたがどこか中途半端な感を拭えませんでした。
これが13年前に箱根・湯河原辺りにでもありそうな一層の高級旅館に改装されましたがいまひとつ食指が動かずその後は宿泊していませんが、人気は上々の様子です。
これが13年前に箱根・湯河原辺りにでもありそうな一層の高級旅館に改装されましたがいまひとつ食指が動かずその後は宿泊していませんが、人気は上々の様子です。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/de/b2/j/o0478045614516691358.jpg?caw=800)
さて「群鷹館」ですが、外観は以前の建物を塗り替えた形で、相変わらずの山奥の素朴な一軒宿という佇まいです。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/33/7a/j/o0640048014516691363.jpg?caw=800)
ドン詰まりの宿
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/2b/36/j/o0480064014516691365.jpg?caw=800)
昔ながらの佇まい
入館してみると内装はすっかりモダンにリフォームされていました。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/90/22/j/o0640048014516691369.jpg?caw=800)
ラウンジとバー
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/2a/f9/j/o0640048014516691375.jpg?caw=800)
薪ストーブが燃えるロビー
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/8d/f7/j/o0640048014516691377.jpg?caw=800)
トイレもお洒落
落ち着いた佇まいの館内を早速部屋に案内されると、正面のデッキに陶器の露天風呂と目にも鮮やかな緑の木々が飛び込んで来ました。
デッキに出てみると眼下には谷川が、また峠の方向には大きな砂防ダムが俯瞰されます。
そのデッキには陶器の露天風呂がしつらえてあり、眼下の清流と対岸の鬱蒼とした林を眺めながら入浴を楽しむことが出来ます。
デッキに出てみると眼下には谷川が、また峠の方向には大きな砂防ダムが俯瞰されます。
そのデッキには陶器の露天風呂がしつらえてあり、眼下の清流と対岸の鬱蒼とした林を眺めながら入浴を楽しむことが出来ます。
他の風呂もそうですが、こちらのオーナーの信条は「温泉は湧出時点から劣化が始まる。だからお客様には湯船に張りたての湯に浸かってもらいたい」ということ。
だから内湯の岩風呂は一日二回、露天風呂は一日一回必ず清掃し、チェックイン時間には全て空にしてお客さんの顔を見てから湯を張り始めるという徹底振り。
そのポリシーは素晴らしいのですが、やはり3時に宿に着いたらすぐに温泉に入りたい、というのは俗人の悲しさか。
だから内湯の岩風呂は一日二回、露天風呂は一日一回必ず清掃し、チェックイン時間には全て空にしてお客さんの顔を見てから湯を張り始めるという徹底振り。
そのポリシーは素晴らしいのですが、やはり3時に宿に着いたらすぐに温泉に入りたい、というのは俗人の悲しさか。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/9b/43/j/o0640048014516691383.jpg?caw=800)
部屋
![イメージ 8](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/83/fd/j/o0480064014516691391.jpg?caw=800)
デッキから
![イメージ 27](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/7e/52/j/o0640048014516691401.jpg?caw=800)
部屋付き露天風呂
![イメージ 28](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/ae/bb/j/o0480064014516691406.jpg?caw=800)
部屋付き露天風呂とデッキ
砂防ダム近くの露天風呂は以前の施設を改装したもの。
若干高台にあって男性用からは向かいの山の木々が、女性用からダムが望まれます。
ぬる目の温度で、一人用ですが源泉槽があるのも嬉しい配慮です。
若干高台にあって男性用からは向かいの山の木々が、女性用からダムが望まれます。
ぬる目の温度で、一人用ですが源泉槽があるのも嬉しい配慮です。
![イメージ 9](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/24/49/j/o0640048014516691411.jpg?caw=800)
砂防ダム
![イメージ 10](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/75/4b/j/o0480064014516691418.jpg?caw=800)
露天風呂
![イメージ 11](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/7a/8c/j/o0640048014516691426.jpg?caw=800)
露天風呂と源泉槽
館内の岩風呂は壁に木をふんだんにあしらった風情ある造りで、半身欲用に浅い浴槽になっており、温度はあつ目。
表には川に面したデッキがしつらえてあり、ドアを開けると爽やかな風と川音が響いて来ます。
表には川に面したデッキがしつらえてあり、ドアを開けると爽やかな風と川音が響いて来ます。
泉質はPH8.81の弱アルカリ性単純泉、29.9度。
特徴あるお湯とはいえませんが、源泉でもゆっくり浸れる温度なのはぬる湯好きの私にはありがたい温泉です。
特徴あるお湯とはいえませんが、源泉でもゆっくり浸れる温度なのはぬる湯好きの私にはありがたい温泉です。
露天と部屋付き風呂は終夜入浴可能ですが岩風呂は夜10時まで。
![イメージ 12](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/45/1d/j/o0640048014516691429.jpg?caw=800)
内風呂
夕食は一階の食事処で。
個室か、仕切りによって各部屋のプライベートが保たれています。
個室か、仕切りによって各部屋のプライベートが保たれています。
![イメージ 13](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/a5/55/j/o0640048014516691438.jpg?caw=800)
食事処
内容はあみ茸・なずな胡麻和えの突き出しから始まって、地の野菜やきのこをあしらった美しい前菜、信州サーモンのサラダ、きのこと山野草の天麩羅ばど。
![イメージ 14](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/d2/ca/j/o0640048014516691443.jpg?caw=800)
夕食の始まり
![イメージ 16](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/d9/93/j/o0640048014516691456.jpg?caw=800)
食前酒となずな胡麻和え、あみ茸など
![イメージ 15](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/56/54/j/o0640048014516691462.jpg?caw=800)
前菜(鱒寿司・紫芋・クロカワ・りんご煮など)
![イメージ 17](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/2b/3e/j/o0640048014516691472.jpg?caw=800)
信州サーモンのサラダ
![イメージ 18](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/f9/b8/j/o0640048014516691478.jpg?caw=800)
きのこと山野草の天麩羅
![イメージ 29](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/2a/ca/j/o0640048014516691485.jpg?caw=800)
オリジナルブランドの「扉純米酒」
岩魚は焼く前に桶に泳いでいたものを調理、その後同じ炭火を使って信州牛の炭焼きが供され、きのこ鍋と酢の物で酒采は終わり。
最後は古代米と味噌汁、デザートで〆。
最後は古代米と味噌汁、デザートで〆。
![イメージ 20](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/8d/7e/j/o0640048014516691492.jpg?caw=800)
調理前に活きた岩魚がお目見え
![イメージ 19](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/4c/7b/j/o0640048014516691501.jpg?caw=800)
岩魚の塩焼き
![イメージ 21](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/72/21/j/o0640048014516691514.jpg?caw=800)
信州牛の炭焼き
![イメージ 30](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/b8/14/j/o0640048014516691522.jpg?caw=800)
キノコ鍋と酢の物
![イメージ 31](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/84/59/j/o0640048014516691532.jpg?caw=800)
古代米と味噌汁
![イメージ 32](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/65/f2/j/o0640048014516691536.jpg?caw=800)
デザート
朝食は昨夜と同じ場所で供される朝食は、山菜・山野草と虹鱒の寒干しを中心としたもの。
特にゆずの漬物が印象的で、おこげの出来た釜焚きご飯によく合いました。
味噌汁は自分で味噌を入れて辛さを調節するという配慮がなされています。
特にゆずの漬物が印象的で、おこげの出来た釜焚きご飯によく合いました。
味噌汁は自分で味噌を入れて辛さを調節するという配慮がなされています。
![イメージ 22](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/34/b0/j/o0640048014516691542.jpg?caw=800)
朝食膳
![イメージ 23](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/52/0f/j/o0640048014516691549.jpg?caw=800)
コールスロー・行者にんにく・ブルーべりーヨーグルト
![イメージ 25](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/28/3d/j/o0640048014516691555.jpg?caw=800)
グレープフルーツジュースと温泉玉子
六種惣菜(左手前は柚子の漬物、旨かった!)
![イメージ 24](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/b9/bd/j/o0640048014516691561.jpg?caw=800)
虹鱒寒干し
![イメージ 26](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/11/shun-1956/35/12/j/o0640048014516691574.jpg?caw=800)
釜焚きご飯と味噌汁
内装はモダンではありますがデザイナーズ風な仰々しさはなく、接待もマニュアルではない自然体。
食事も上手く季節の地の食材をあしらった上品なもので、全て美味しく頂けました。
歴史ある湯治宿がすっかり現代風に改装さるのは一抹の寂しさも感じますが、そうした宿の未来に向かっての進化系の一つとしては成功した例と言えると思います。
食事も上手く季節の地の食材をあしらった上品なもので、全て美味しく頂けました。
歴史ある湯治宿がすっかり現代風に改装さるのは一抹の寂しさも感じますが、そうした宿の未来に向かっての進化系の一つとしては成功した例と言えると思います。
ただ隣接するのが「秘湯の高級宿」を謳った「明神館」。若年層や秘湯初心者の興味はどうしてもそちらに向くのは致し方ないところ。
願わくばこうした地味ながら湯を大切にしたセンスの良い宿の理解者が増えてくれることを望みます。
(扉温泉・群鷹館 了)