佐久鯉「花月」(鯉料理「)
佐久「はぎわら磊庵(らいあん)」(蕎麦

 

訪問日:2008-06-24,25

 
 
群馬との県境に近い長野県佐久市内山は、奇岩連なる山々の景観とコスモス街道で知られています。
今回ご紹介する「初谷(しょや)温泉」は、その街道から狭い山道を分け入って、「もう道がなくなるのでは?」と思う頃に辿り着く山間の一軒宿です。
 
創業は明治18年、100年以上も地元民の湯治場として愛されて来ました。
昭和40年代の温泉ガイドには、「以前はその名前のイメージ(「初夜」)から新婚旅行に使う夫婦も多かった」なんて微笑ましい記述があったのを記憶しています。
 
そんな歴史ある湯治宿も昭和63年に全面改築、そしてオーナーも代替わりして2008年に再びリニューアル、近代的な静養向けの温泉宿に生まれ変わりました。
 
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玄関への通路
 
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ポストがある玄関
 
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宿泊棟
 
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ロビーと帳場
 
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ラウンジ
 
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廊下
 
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館内1
 
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館内2
 
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館内3
 
部屋は全8室、内2室はベッドルーム付き。
全ての部屋が小さな渓谷に面しており、広めにとられた間取りはゆったりした気分にさせてくれます。
館内も良く整頓・清掃され、諸所に置かれた小物や古民具も新しい内装にしっくり溶け込んでいます。
今回はベッドルーム付きの部屋を選択しました。
 
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部屋
 
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ベッドルーム
 
風呂は源泉槽と白湯槽に分かれ、泉質は含二酸化炭素ーナトリウムー塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉14.3度、加熱・循環。
加熱されると赤茶色に濁って透明度はほとんどなくなります。
温度はぬる目に設定され、長時間入浴することができる私好み。
 
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風呂1
 
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風呂2
 
食事処で頂く夕食は佐久の郷土料理をアレンジしたもの。
創作料理もありますが決して奇をてらった物ではなく、佐久らしい鯉の洗いや旨煮・岩魚塩焼きなどのオーソドックスなメニューの流れの中に無理なく供されます。 
 
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食前酒(ゆず酒)
先付け(滝川豆腐)
小鉢(寒干し大根煮物)
 
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前菜(ニラ煎餅・抹茶ムース・味玉子・あんずウーロン茶漬け・エシャレット)
 
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地酒「初鶯」純米酒
 
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向付(佐久鯉の洗い)
 
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鍋物(野菜と豚肉・自家製味噌仕立て)
 
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冷物(かぼちゃ冷製スープ)
 
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強肴(佐久鯉旨煮)
 
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焼物(岩魚塩焼き)
 
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飯物(佐久産こしひかり)
汁物(枝豆真丈の吸い物)
香の物(野沢菜茶漬け)
 
朝食は朴葉味噌焼きと甘露煮を中心にした、山里らしい献立です。
 
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朝食膳
 
宿の裏手、風呂の近くには源泉「寶命水」が。
汲んで持ち帰ることもできます。
 
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源泉「寶命水」
 
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宿入り口の祠
 
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山法師
 
周囲には人家も皆無、小さな山宿で聞こえるのは川音と山鳥の声、そして風の音だけ。
ここだけ時の流れが止まったような錯覚さえ覚えます。
都会の喧騒を離れ、何もかも忘れてゆっくりと流れる時間に身をゆだねる。
そんな至福の時を過ごせる温泉宿です。
 
 
佐久の食事処二軒ご紹介します。
 
まず佐久といえばは鯉の産地として著名です。
北アルプス山麓の清らかな湧水と千曲川の清水で育まれ、充分に泥を吐かせた鯉の味は清廉そのもの。
今回は佐久甲州街道の旧宿場町野沢の成田山参道に隣接した、約80年の歴史を誇る鯉料理の名店「花月」でコース料理を頂きました。
 
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「鱗煎餅」と「肝の一夜漬け」
 
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「洗い」は山葵醤油で
 
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「はやの唐揚」
 
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「甘露煮」
 
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「皮のポン酢和え」「鯉こく」
 
二軒目は蕎麦の名店「はぎわら磊庵(らいあん)」です。
一日限定20食の「石挽き手打ち蕎麦」を頂きました。
御覧の通りの十割田舎蕎麦です。
食感はもっちりですが、やはり香りは立っています。
信州辛味大根で。
 
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「はぎわら磊庵」
 
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「はぎわら磊庵」の石挽き十割蕎麦と天麩羅
 
(佐久「初谷(しょや)温泉 了)