小渋温泉「赤石荘」(立ち寄り)
天竜峡
 
訪問日:2016-06-27,28
 
 
大鹿村は中央道松川ICから南に約30分、南アルプスの山ふところに位置する村落です。

南北朝時代(1,300年代)には一時南朝の拠点になったという歴史ある村で、原田芳雄の遺作映画「大鹿村騒動記」でその名を知られるようになった郷土芸能「大鹿歌舞伎」は現在も毎年上演され続けています。また村内に湧出する「鹿塩温泉」は深山の強塩泉で製塩も行われています。
「日本で最も美しい村連合」所属。
 
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大鹿村
 
ここにご紹介する「旅舎 右馬允(うまのじょう)」は村の高台に位置する古民家で、一日二組限定という贅沢な料理宿。 大鹿村の食材(山菜・木の子・川魚・ジビエなど)を自在に調理して提供してくれます。
近江「徳山酢(とくやまずし)」、「比良(ひら)山荘」などとともに食道楽垂涎の宿として一部好事家の間ではその名を知られています。
 
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看板
 
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玄関1
 
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玄関2
 
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ワンちゃん
 
宿は古民家をそのまま利用したもので、本屋(ほんおく)のほか庭の土蔵やお稲荷さんも鄙びた風情に趣を添えています
 
 
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土蔵
 
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薪が積まれて
 
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庭から小渋川を望む
 
部屋は濡れ縁のある一階二間と新緑が眩しい二階三間がありますが、今回は私たちひと組だけの宿泊なので、「全てのお部屋をお好きに使ってください」とのこと。
 
建物は古いものの風呂・トイレはリフォームされて快適な空間に、館内は清掃が行き届いて実に気持ちが良い。
歴史を感じさせる古民家泊を満喫させていただきました。
 
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一階客室1
 
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一階客室2
 
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使われていない一階客室
 
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濡れ縁から庭を望む
 
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部屋から庭を望む
 
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蚊取り線香が煙る
 
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庭から見た客室
 
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二階廊下
 
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二階廊下からの眺め
 
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二階客室1
 
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二階客室2
 
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二階から見た湯小屋
 
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二階からの眺め
 
風呂は残念ながら温泉ではありませんが、大鹿村の山水を薪(まき)で沸かした肌触りの柔らかいお湯です。
新緑の庭や土蔵を眺めながら入浴していると時を忘れてしまいそう。
 
どうしても温泉に入りたいという向きには、近くに後ほどご紹介する小渋温泉「赤石荘」の素晴らしい露天風呂があるのでそちらへどうぞ。
 
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風呂1
 
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風呂2
 
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風呂から見た土蔵
 
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神棚
 
そしていよいよ食事処でいただく深山会席料理です。
地酒「今錦純米酒」も美味しく、魚の骨一つ残さず堪能させて頂きました。
 大きなテーブルは実際に使用されていたという門扉を活用したものです。
 
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食事処1
 
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食事処2
 
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先付け:新南瓜・山胡桃・白玉の金団(きんとん)
(大鹿村の伝統菓子)
 
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前菜:岩魚朴葉寿司・とうもろこしスープ
・ブルーベリーと木苺・蜂の子甘露煮
・蕎麦粉チーズサンド・新じゃがとねぎ味噌
・行者にんにく醤油漬豆腐・空豆鹿塩産山塩焼き
 
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地酒「今錦純米酒」
酒米を育てた棚田にはおたまじゃくしがたくさん住んでいrことにちなみ、
酒質の変遷を3段階に描くという洒落っ気に富んだラベル
 
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御椀:山菜茶碗蒸し
 
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造り:アマゴなめろう(シソの実・みょうが・紅たで)
*アマゴはサツキ鱒の陸封型で、サクラ鱒の陸封型山女魚とほぼ同種。
静岡が北限で長野では北信が山女魚、南信はアマゴ。
 
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煮物1:夏野菜炊き合わせ(蕨篠田巻・冬瓜・南瓜・大根・人参・鞘隠元)
 
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蒸し物:岩魚蕪蒸し
 
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煮物2:破竹と岩魚のアラの煮物
 
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焼物:釣り若鮎塩焼き(特産のクレソン酢で)
 
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油物:天麩羅(鮎開き・山芋大葉巻き・赤詰草)
 
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強肴:野鴨温石焼き
 
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食事1:五平餅と香の物盛り合わせ
 
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食事2:手打ち十割蕎麦
 
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デザート:朝取りブルーベリーシャーベット
 
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朝の景色
 
翌日は朝から雨になりましたが、濡れ縁のある部屋はまたこれでなかなかの風情です。
ゆっくりと朝食をいただき、雨音を聞きながら深山の景色を満喫して宿を後にしました。
冬には大鹿産ジビエ料理が供されるので、また来なくては。
 
ただ一つ大鹿村には懸念材料があります。
リニア新幹線工事による環境破壊がそれで、通気口、非常坑口工事や残土輸送トラックの通行(年と1日最大1,700往復!)などでこちらが沿線最大の被害をこうむるということ。
 「東京ー大阪が一時間で結ばれる」ことと引き換えに、多くの自然環境が破壊されることも我々は知るべきかと思います。
 
 
こちらに来ると必ず立ち寄る、小渋温泉「赤石荘」の絶景露天風呂、南朝の香りを現代に伝える和蔵(わぞ)集落の平安建築「福徳寺」の写真も併せてどうぞ。
 
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小渋温泉「赤石荘」1
 
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小渋温泉「赤石荘」2
 
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小渋温泉「赤石荘」の絶景露天風呂1
 
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小渋温泉「赤石荘」の絶景露天風呂2
 
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福徳寺
 
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和蔵(わぞ)集落
 
また近隣には深山に湧出する強塩泉として知られる鹿塩温泉もあり、併せて宿泊すれば一層充実した大鹿村訪問になることと思います。
 
 
その後訪問した南信の名勝、天竜峡の写真です。
 
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天竜峡1
 
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天竜峡2
 
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天竜峡3
 
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天竜峡4
 
(旅舎 右馬允(うまのじょう)了)