訪問日:2013-05-24, 25
 
 
会津周遊のあと、2008年に開通した新甲子トンネルを抜けて甲子温泉大黒屋に宿泊しました。
前回1997年の訪問時はまだ行き止まりだった国道289号線最奥という環境で、本館は二階建てで冬季休業の辺鄙な一軒宿でした。
しかしトンネル開通を機に本館は三階建て全面禁煙に改装、通年営業の近代的な宿に生まれ変わりました。
利便は良くなって訪問客も増えましたが、素晴らしい混浴の岩風呂は昔のままで、足元湧出の自噴泉を心ゆくまで堪能できます。
 
イメージ 1
新築された大黒屋本館
 
六百数十年前の至徳年間・甲子(きのえね)の年に発見され命名されたという歴史をもつ甲子温泉。

今回は白河藩主・松平定信翁の別邸であった別館(離れ)木造建築「勝花亭」を予約しました。
岩風呂を眼下に望む崖の上に建つ、眺望抜群の風雅な平屋です。
トイレなどは近代的に改装されています。
 
イメージ 2
別館(離れ)「勝花亭」1
 
イメージ 3
別館(離れ)「勝花亭」2
 
イメージ 4
別館(離れ)「勝花亭」3
 
イメージ 23
別館(離れ)「勝花亭」4
 
イメージ 5
「勝花亭」室内1
 
イメージ 27
「勝花亭」室内2
 
イメージ 6
「勝花亭」室内3
 
イメージ 24
「勝花亭」室内4
 
イメージ 7
部屋からの眺め(湯小屋)
 
本館から長い階段を降り、阿武隈川に架かる橋を渡って木造の湯小屋にある岩風呂へ。
朝5時から7時、夜19時から21時の女性専用時間を除いては混浴で、縦5メートル・横15メートル・深さ最大で1.2メートルの大きな湯船の足元の岩盤から湧出する31-34度の自噴泉と、鳥居の湯口から湧出する45度の源泉が混合して掛け流しされています。
泉質は単純泉45.1度、毎分230リットルの湧出量、入浴時間は朝5時から23時まで。 
 
 
イメージ 8
岩風呂への階段
 
イメージ 9
岩風呂湯小屋
 
イメージ 10
岩風呂への橋
 
イメージ 25
大岩風呂1
 
イメージ 11
 
大岩風呂2
 
イメージ 12
大岩風呂3
 
また隣接する櫻の湯は以前石造りだったものが檜の浴槽に改装され、上記の岩風呂の女性専用時間が男性用に入れ替わる以外は女性専用となっています。
泉質・入浴可能時間は岩風呂と同じ。
 
イメージ 13
櫻の湯
 
他に本館には恵比寿の湯という男女別の内湯と露天風呂があり、こちらは13時から16時の清掃時間以外終夜入浴可能。
泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉45.8度、湧出量毎分120リットル、掛け流し。
 
イメージ 14
恵比寿の湯
 
イメージ 26
恵比寿の湯・露天
 
食事は本館の食事処でいただきます。
地の食材をふんだんに使用しながら、女性に好まれそうなセンスの良いバランスのとれた料理です。 
 
イメージ 15
夕食膳
 
イメージ 16
前菜(じゅん菜甘酢・うるいバジルソース・ミズのコブ味噌漬け
・コゴミ胡麻和え・山独活醤油煮)
 
イメージ 28
先付(ゼンマイ一本締め)温物(桜すいとん蕗味噌入)
 
イメージ 17
炊き合わせ(筍・蕗のとう篠田巻・里芋・冬瓜・蓮根)
サラダ(春野菜盛り合わせ)
 
イメージ 18
造り三種(桜鱒の叩き・雪鱒の刺身・山女魚刺身)*山女魚は別注
 
イメージ 19
焼き物(山女魚塩焼き)
 
イメージ 29
蒸し物(和牛源泉せいろ蒸し)
 
イメージ 20
御飯・味噌汁・香の物・デザート
 
食後はロビーで餌付けされたテンを見ることができます。
 
イメージ 21
餌付けされたテン
 
イメージ 22
朝食膳
 
新甲子トンネルの開通で白河から会津方面へのアプローチの中間という絶好の立地となり多くの観光客が訪れるようになりましたが、離れと大岩風呂の風情は昔のまま。
また改装なった本館に宿泊して快適な山宿で一夜過ごすのも良いでしょう。
南会津訪問の拠点としてお勧めの宿です。
 
 
(甲子温泉「大黒屋」了)