訪問日:2006-12-21,22 2010-07-20,21 2016-02-22,23 (合計五回宿泊)
*記事は2006年宿泊時、写真は上記3回分を混合して使用しています
近くにこれといった景勝地もなく、温泉もそれほど著名ではありません。
しかし多くのリピーターを持ち、クチコミ・ブログなどでも高評価を保ち続けています。
その理由は温泉旅館に求められるもの全てを「いいとこ取り」した宿だからです。
昔は「お母さんの味・猪鍋」が売り物の鄙びた一軒宿でしたが、二代目館主が跡をついで全面改築、経営方針を一新しました。
宿への道
宿全景
私が最初に訪れたのは、新装オープン間もない1998年。
当時は露天風呂もなく建物は新しく田舎宿らしい風情もなし、ただ猪のモツ鍋という特別メニューがあって、それを目当ての訪問だった記憶があります。
当時は露天風呂もなく建物は新しく田舎宿らしい風情もなし、ただ猪のモツ鍋という特別メニューがあって、それを目当ての訪問だった記憶があります。
宿泊料金もたしか一万円強だったかと。
食事の時まだ20代後半とおぼしき館主夫婦がご挨拶に見えて、「私たちは良い宿を作るために毎月二日連休を取って色々な宿を訪問し、勉強させていただいております。お客様のお気に入りの宿、これはと思われるサーヴィスがあったら是非教えてください」とのご挨拶。
「この宿は良い宿になるな」と感心しました。
そして果たせるかな、数年後「露天風呂が完成しました」との葉書を頂戴したので訪ねてみると、いくつもの驚くべき独自のサーヴィスを採用した宿に変貌していました。
この宿のこだわりは挙げればキリがないほどですが、大雑把に列挙すれば、
1.「ゆっくりしてもらいたい」という配慮からチェック・インは午後1時、アウトは午前11時。
2.全館畳敷きにし、スリッパを廃して足袋を使用。
3.部屋で目障りな物(TV、洗面所、冷蔵庫など)は全て収納や目立たないところにしつらえている。
4.各部屋に電動マッサージ機を設置、トイレはウオシュレットはもちろん、ライト、便座カヴァーもセンサー付きオート。
5.風呂はフェイスタオル・バスタオルとも使い捨て、アメニティーも充実(麺棒や髪留めゴム、マウスウォッシュまで)。
6.貸切風呂は2箇所、無料で。
7.立ち寄り湯は一切させない。
8.食事は個室ダイニングで、徹底的に地の物にこだわって調理、もちろん「熱い物は熱いうちに、冷たい物は冷たいまま」供される。
9.布団はチェックアウトまで敷きっ放し、朝食後もゴロ寝が出来る。
10.小学生以下や7人以上のグループはお断り、カラオケやスナック等一切なし、芸者・コンパニオンも呼べない。
11.部屋の鍵が2つ用意してある。
12.浴衣は予備と交換自由(就寝用パジャマもあり)
1.「ゆっくりしてもらいたい」という配慮からチェック・インは午後1時、アウトは午前11時。
2.全館畳敷きにし、スリッパを廃して足袋を使用。
3.部屋で目障りな物(TV、洗面所、冷蔵庫など)は全て収納や目立たないところにしつらえている。
4.各部屋に電動マッサージ機を設置、トイレはウオシュレットはもちろん、ライト、便座カヴァーもセンサー付きオート。
5.風呂はフェイスタオル・バスタオルとも使い捨て、アメニティーも充実(麺棒や髪留めゴム、マウスウォッシュまで)。
6.貸切風呂は2箇所、無料で。
7.立ち寄り湯は一切させない。
8.食事は個室ダイニングで、徹底的に地の物にこだわって調理、もちろん「熱い物は熱いうちに、冷たい物は冷たいまま」供される。
9.布団はチェックアウトまで敷きっ放し、朝食後もゴロ寝が出来る。
10.小学生以下や7人以上のグループはお断り、カラオケやスナック等一切なし、芸者・コンパニオンも呼べない。
11.部屋の鍵が2つ用意してある。
12.浴衣は予備と交換自由(就寝用パジャマもあり)
13.少しでも宿泊料金をお客様に還元するため、旅行会社との提携はしない。
今となっては当たり前と言われるかもしれないサーヴィスも多くありますが、この方針を1990年代後半から行っていたのは注目に値します。
実際、私は当時、4,11,12などこちらで初めて体験しました。
ただし2010年代になって状況が変わったのでしょう、旅行会社との提携はせざるを得なかったようです。
熊さんがお出迎え
ロビーから続く廊下
さて、案内されたのは丸い形の張り出しがある庭に面した二階の部屋。
窓からは遠く南アルプスが望まれます。
窓からは遠く南アルプスが望まれます。
部屋1
部屋2
部屋3
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/10/shun-1956/f6/2a/j/o0640048014516665572.jpg?caw=800)
部屋からの景色
到着が早かったためまだ風呂には誰もおらず、貸し切り風呂から露天まで全てゆっくりと堪能させて頂きました。
泉質は単純硫黄泉16.7度、自然湧出で内湯・露天とも循環・放流併用。
泉質は単純硫黄泉16.7度、自然湧出で内湯・露天とも循環・放流併用。
露天のセンスも良し、そして夕刻周辺や川向いの木々がライトアップされるとその景観がまた一変します。
砂防ダムの滝の流れや紅葉がそこかしこで光り、正に夢見心地の入浴を満喫出来ます。
(ライトアップは深夜零時まで)
瀬音の湯露天
瀬音の湯内湯
渓流の湯露天
渓流の湯内湯
貸切露天からの景色
フリードリンク
そしていよいよ「個室ダイニング」で夕食です。
個室のテーブルでライトアップされた庭を眺めながら、ゆっくりと地の食材にこだわったメニューを楽しめます。
個室のテーブルでライトアップされた庭を眺めながら、ゆっくりと地の食材にこだわったメニューを楽しめます。
個室ダイニングルーム
![イメージ 14](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/10/shun-1956/10/7a/j/o0640048014516665624.jpg?caw=800)
食前酒と前菜(鹿肉、柿と銀杏の白和え、鯉のマリネ)、茶碗蒸し
岩魚刺身
猪鍋
岩魚塩焼き
山梨ワインビーフ板焼き
![イメージ 19](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/10/shun-1956/07/d0/j/o0640048014516665654.jpg?caw=800)
冷製ロールキャベツ
稚鮎炊き込み御飯
部屋に戻るとベージュに統一された落ち着いたカラーの夜具と、夜食のオムスビが用意されていました。
浴場は午後6時で男女が交代され、また違った雰囲気で入浴が楽しめます。
就寝用のパジャマが用意されているのも嬉しい気遣いです。
![イメージ 21](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/10/shun-1956/b7/23/j/o0640048014516665663.jpg?caw=800)
夜食のお結び
着替えの浴衣
ライトアップされた露天
ライトアップされた渓流の湯
朝食も同じダイニング・ルームで。
茶粥・自家製豆腐・虹鱒の塩焼き・煮物などを中心にしたメニューです。
味噌汁も具沢山、お惣菜も可愛い器に6種類。
茶粥・自家製豆腐・虹鱒の塩焼き・煮物などを中心にしたメニューです。
味噌汁も具沢山、お惣菜も可愛い器に6種類。
布団は敷きっ放しのシステムです。
ダイニングの朝食膳
朝食膳
惣菜盛り合わせ
![イメージ 26](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/10/shun-1956/2f/66/j/o0640048014516665688.jpg?caw=800)
自家製豆腐、味噌汁
![イメージ 25](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/10/shun-1956/28/a6/j/o0640048014516665705.jpg?caw=800)
デザート
いまだに固定ファンも多く、アプローチの不便な山間の一軒宿としては根強い人気を保っている様子です。
ただこうしたきめ細かいサーヴィスを行う宿が増たのと、宿泊料も大分高くなって一時ほどの優位性は薄れました。
前述しましたが、新規開業当時には「お客様に宿泊料を還元するため、手数料を取られる旅行会社とは一切契約しません」という方針でしたが、近年は「じゃらん」「楽天トラベル」などに登録もしているというのいも稼働率が落ちてきているのでしょう。
前述しましたが、新規開業当時には「お客様に宿泊料を還元するため、手数料を取られる旅行会社とは一切契約しません」という方針でしたが、近年は「じゃらん」「楽天トラベル」などに登録もしているというのいも稼働率が落ちてきているのでしょう。
「お得意様割引プラン」のハガキも最初は1,000円引きだったのがここ数年は1,500円引きになりました。
できれば最近多くの宿が採用している高年齢層向けの食事ライトプランで、安価な宿泊料を設定すればと思うのは私だけでしょうか。
2016年、新たに開始したジビエコースをお試しでいただいた時の写真もどうぞ。
![イメージ 29](https://stat.ameba.jp/user_images/20190730/10/shun-1956/f2/b5/j/o0640048014516665708.jpg?caw=800)
温泉近くの六地蔵(後ろに富士が)
(船山温泉 了)