塩原温泉共同浴場「不動の湯」「岩の湯」
 
訪問日:2007-04-24,25
 
 
塩原十一湯のうち塩原元湯は、文字通り塩原温泉最古の湯元で往時は大いに賑わったそうですが、洪水でほとんどが流失して現在は三軒の宿を残すのみとなりました。
それぞれも異なった特徴ある源泉を持ち興味は尽きませんが、三軒宿泊してみたうちで一番湯治宿らしさを感じた「ゑびす屋」さんをご紹介します。

露天風呂もなく、自炊客以外は二泊まで、と徹底して湯治宿にこだわっています。
宿は新しくはありませんが良く整備されて清掃も行き届いています。
部屋は質素ですがやはり綺麗にしています。
眺望は一部の川に面した部屋を除いて、あまり良くない部屋が多いのは残念。
 
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塩原元湯全景
 
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ゑびすや旅館
 
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ゑびすや玄関
 
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宿の前の渓谷
 
浴室は一混浴と女性用に分かれていますが、塩原最古という胃腸病の名湯「梶原の湯」は混浴浴室にしかなく、内部の扉から女子も自由に入浴できるようになっています。
泉質はナトリウムー炭酸塩泉39度 、飲泉すると何ともいえない苦味がありますが、口に含んでいると甘味も感じられます。
 
もう一つは塩原唯一の間欠泉(時間を置いて噴出する源泉)、「弘法の湯」です。
泉質は含重曹ー食塩硫化水素泉54度、湯船でも45,6度あってかなり熱め。
女子浴室は若干ぬるめにした同源泉が引かれています。
深夜も入浴可能。

「掛け流し」を温泉用語に定着させた(元は日本酒の醸造の用語)温泉評論家・故野口悦男さんの色紙も貼ってありました。
 
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混浴室(左が「梶原の湯」、右が「弘法の湯」)
 
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女子浴室
 
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浴室の神棚
 
そして食事です。
評判は聞いていたものの、一泊9,000円の湯治宿、しかも日替わりメニューでここまでの物がでるとは正直驚きです。
詳しくはアルバムを見て頂くとして、日光に近いだけあって湯葉料理が2点、岩魚は席に着いてから焼きたてを。
お造りもちゃんとしているし、猪鍋までついて充分満足させて頂きました。
湯治宿の食事としては満点の内容と言えるでしょう。
 
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夕食膳
 
朝食は質素ながら手は抜いていません。
納豆など刻みネギはもちろんオクラまであしらってあり、一丁前の値段で発泡スチロールのまま供するような宿に見習って欲しいものです。
そして梶原の湯で炊いた名物「温泉粥」はあの苦い源泉で炊いたとは思えないほど甘味があって美味しい。
ついつい食が進んでしまいます。
 
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朝食膳
 
出来れば二泊して一日中浸っていたい素晴しい温泉でした。
 
塩原元湯「ゑびすや」公式HPなし
 
塩原の共同浴場をいくつかご紹介します。
 
岩の湯(福渡温泉)は川沿いにある混浴露天風呂。
以前は入浴料200円を徴収していましたが、現在は無料になったそうです。
泉質は含石膏弱食塩泉 、手前の湯船は無色透明でぬるめ、もう一つは若干濁った熱めです。
 
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岩の湯(福渡温泉)1
 
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岩の湯(福渡温泉)2
 
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岩の湯(福渡温泉)3
 
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岩の湯(福渡温泉)4
 
不動の湯(福渡温泉)は岩の湯から5分ほど歩いた森の中にあります。
近年一部の入浴者の心無い行為で閉鎖されてしまいましたが、現在は冬場を除く週末だけ、入浴料300円で開放されています。
泉質は含石膏弱食塩泉、湯口は少し熱めですが、湯船が広いので適温の場所で入浴できます。
 
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不動の湯(福渡温泉)への道
 
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不動の湯(福渡温泉)1
 
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不動の湯(福渡温泉)2
 
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不動の湯(福渡温泉)3
 
新湯(あらゆ)には二箇所の共同浴場があります。
いずれも地元民が多く利用する素朴な湯小屋で、内部は人が多く撮影できませんでした。
 
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寺の湯(新湯温泉)
 
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むじなの湯(新湯温泉)
 
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新湯温泉にて
 
(塩原元湯「ゑびすや」と共同浴場 了)